2019.07.18 Thursday
大小様々
木工の大敵(梅雨の)湿気が強まる中、なんとか木の反りと戦いながら制作を進めています。
ぶんぶく堂は主に無垢材(丸太をスライスした板材)を使って家具を制作していますが、この度
珍しく突き板(表面に薄い無垢材を貼ったベニヤ板)を使用することとなりました。
作業台にのせると天井までそびえ立つこの物体。一体何かと言いますと、、、
とある会社から依頼を受けて制作した台座です。会長ご夫人の肖像を飾るためのものでした。
右側が従来のもの。それに近づけて制作したのが左側です。従来のものが突き板だった
ためそれに合わせたのと、これだけ広い面を伸び縮みする無垢材で作ると、時間が経つ
と割れてくる心配がありました。突き板はプレス機という圧力をかける方法で貼り付けて
行くのが基本ですが、うちにはプレス機がないため4mmという厚めの突き板を使って
無垢材を扱う時のような技法で組み立てていきました。突き板の良さは、何と言っても
軽量であること。これほど大きなものを無垢材で作るとなると(作れるとは思いますが)
納品時の運搬は恐ろしいことになったかと思います。。軽量といっても適度な重さがあり
重厚感も出る仕上がりとなったように思います。
こちらは打って変わってミニサイズ。これまたとある会社からのご依頼で、金属でできた
商品の一部に木部のパーツが組み込まれているというもの。本来ならコンピューターで
刃物を動かして加工するはずなのですが、両面の加工が不可能なのと、木が硬すぎるのとで
このままではどうにもならないということで相談に来られました。手加工でできることには
もちろん限度がありますが、長年の経験によって、今の自分の技術なら受けられるだろうと
判断して制作しました。指でつかめる部分が3mmほどしかなく、未だかつてないほど指先
だけを使う制作でしたが、なんとか50個、完成させられました。
こちらは城南区にある居酒屋さん。この度リニューアルオープンされることになり、
常連のお客様数名からの贈り物として時計のご依頼を受けました。よく見ると表面には
レーザーで文字が彫られています。裏側にも贈られた方々のお名前や日付が印字されて
います。この電波時計はうちで定番の人気商品ですが、このようにお好きな場所にお好
きな文字を彫ることが可能です。
うちからは遠くてなかなか行けそうにありませんが、置いてあるお酒も、メニューも
魅力的で、ご近所だったら私も常連になっていただろうな〜と思いながら帰ってきました。
梅雨のジメジメで体力も奪われがちですが、しばらくは大小様々な納品が続きます。
展示場の商品の充実をこの夏に進めていくつもりでいますが、制作が遅れ気味でまだ
あまり進められていません。そちらも来月には本格的に取りかかろうと思います。