2019.05.29 Wednesday
かゆいところに手が届く
こちらは既製品のチェリー材でできたテーブルです。あるお客様からのご依頼で、
80cm角あった天板を60cm角に、高さ54cmだったものを66cmにできないかという
ことでした。どんなテーブルでも改造できるというわけではなく、一枚の板に見えて
も表面に薄い板が貼ってあることがよくあります。中が空洞になっていることもある
ため、カットできる構造かどうかを見てみてから、お受けできるかどうかの判断をさせ
てもらっています。写真ではテーブルの縁の色が違って見えますが、カットした際に
どうしても足りない部材だけ、新たに付け足して制作しました。脚の先端はねじ込み式
で継ぎ足しています。削り出したばかりのチェリー材の色は明るく、違う材のようにも
見えますが、経年変化で飴色に変わっていく材で、数年経てば他と差がなくなるはずです。
こちらも同じお客様からのご依頼で、ミシン台の脚だけを制作しました。サイズを
ご指定いただいて、上にミシンが組み込まれた天板を置いて使われるそうです。この
ような部分的な制作の依頼を受けることもよくあります。大きさや高さがしっくり
こなくてなんとなく愛着が湧かない家具って、意外と多いのかもしれませんね。
使い勝手が上がるといいなと思います。
こちらはまた別のご注文。五月人形のガラスケースを作り直せないかというご依頼を
受けました。30年以上前に購入した息子さんへのこの五月人形を、その更に息子さん
(お孫さん)へ送ってあげたいというお話でした。天板がひび割れているのもありま
したが、住宅事情もあるのでなるべくコンパクトに、郵送もできるようにしたいという
ご希望でした。
ご相談して決めていくうちに、ガラスではなくアクリルケースがいいのではということに
なりました。郵送時にガラスが割れる心配の無いように。
こちらが人形が入った様子。元々のガラスケースの背面と床面に使われていた金色の
紙をカットして収めました。ご依頼くださったお客様は、福岡県内でこういう加工を
してくれる所をホームページでひたすら探してうちに辿り着いたとおっしゃっていま
した。先ほどのテーブルなどもそうですが、こういうことができたらいいなと思っても
なかなか相談できる場所って無いのかもしれませんね。順番にコツコツ制作するので
多少のお時間はかかりますが、お客様にかゆいところに手が届くわ、と言ってもらえる
木工百科でありたいなと思います^^