すっかり秋らしくなりました

数日前まで汗だくで作業していたのが嘘のように、夕方ツクツクボウシや鈴虫の声が

広がるのを耳にすると、すっかり秋の気分になります。作業もはかどります。


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久しぶりの更新です。写真はソファーに合わせて制作した低めのダイニングテーブル。

中心にあるフタを外すと、IHコンロを収納することができます。角を大きく丸く取った形

が特徴的で、白を基調とした明るいお部屋がぐっと締まって見えました。このソファ、

ダイニングの椅子に近い高さがあるものの、座るとフカフカで沈むのでなかなかそれに

合うテーブルを見つけられなかったのだそう。今まで食事の時は別のダイニングを使わ

れていましたが、やっとここで集まって食事もできると喜んでいただけました。

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こちらはお盆明けに納品した芥屋ゴルフ倶楽部の玄関用のディスプレイ。今年の始め

から少しずつ打ち合わせを進めていたものが、ようやく納品までこぎ着けました。

大きいので二度に分けて納品したうちのこれが第一弾。

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そしてこれが全部収まった状態。石川遼選手のバッグにクラブ、サインやユニフォーム等。

ガラスやLEDを組み込む作業など、異素材も扱うとあって慎重に進めました。

そもそも、アメリカのゴルフ場では無垢材でできたディスプレイを見かけることはよくある

そうなのですが、日本のゴルフ場は建物に作り付けであることがほとんどらしいのです。

こちらのゴルフ場でも既存のものでは窮屈になってきているのと、玄関のスペースをうまく

利用できないかというご要望でした。キャスター付きで動かすこともできて、模様替えも

可能です。無垢材で家具を作ることや、移動式であることなど、数十年前に建物ができた

ときにはなかった考えかもしれません。時代に合わせて家具も変わっているのだなと実感

しました。

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こちらは20年来お使いのダイニングセットに合わせて、ベンチをご注文いただきました。

うちで取り扱う中では経年変化が最も大きいチェリー材を使用しました。数年でほとんど

違いがなくなるくらい濃い飴色に変化していきます。

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こちらは数年前にご注文いただいたチェリー材の食器棚です。ご家族が増えて、収納を

もう少し増やしたいとのご要望で間に引き出しを足しました。引き出しを制作したのは

もう数ヶ月前で すが、チェリーの経年変化ということで思い出してご紹介。先程のダイニ

ングとベンチのように、こちらも数年で真ん中が濃い飴色に変化していくことと思います。

無垢材だからこそ、着色をしていないからこその経年変化ですね。

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こちらはヒノキで作った木箱です。私と同じ美大出身のお嬢様の卒業制作を仕舞って

おくための箱を、その方のお母様からのご依頼で制作しました。普段は押し入れに四段

ほど重ねて置けて、中身(ガラスのオブジェ)をこの箱の上に飾ることもできるといいなぁ

というご要望でした。飾ったものが引き立つよういかにシンプルに、それでいて重さに

耐え得る強度。こういうのを考える時が一番好きな時間かもしれません^^

親子で展示会に引き取りに来て下さり、これに重ねて行く次の箱の素材を選んでもらい

ました。様々な材種で重なっていくのを想像すると、作る前からわくわくしてしまいます。

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先月末の展示会では、新作の時計も制作しました。左はカリン、右はノグルミの木です。

こんなに特殊な木目は滅多に出ないので、まさに一点物です。

と、こんな感じでこの3ヶ月弱はほぼノンストップで制作漬けでした。展示会にもたくさん

の方にお越しいただき、来年以降のご注文も増えてきています。夫婦二人での制作に

なるため長い目でお待ちいただくことになるにも関わらず、ゆっくり、楽しみに待ってます

と言って下さるお客様ばかりで、こんなに嬉しく、ありがたいことはありません。


最近、卵焼きを作っているときにふと思ったこと。いつもお砂糖と、薄口醤油を少し入れる

のですが、この『少し』がとても難しくて、いつもドボッと入ってしまうのです。が、あるとき

自分は入り過ぎないように、止めようとしながら入れているのだと気づきました。それで

止めることは頭から離して、入れたい量だけ『入れる』ことに集中すると上手くいくのです。

これって、学生時代になかなか上達しないスキーの滑り方のコツを先輩に聞いた時、私

が止まることを念頭に滑っているから上手になれないと言われたのを思い出しました。

止まることを考えずにスピードに乗ってみな、と言われた瞬間から嘘のように上達して

いったのを思い出します。これと卵焼きは同じだと。そして、生活そのものもそうなんじゃ

ないかと思います。休むことやセーブすることを念頭に受け身がちに仕事をすると、何か

を忘れてしまったり、思うように進まないことがあるのですが、一歩先に先に進む姿勢で

仕事をすると、それが少なくなります。忙しくてやることが多くなればなるほど、この卵焼き

の法則が自分に合っているのだと見出した2017年の夏、でした。

10月の末には外でのイベントにも呼んでいただいています。ぶんぶく堂での9月末の展

示会やそのイベントに新作を引っさげて出られるよう、この気候のいい時期にどんどん

進んでいかねばです。

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