2017.01.27 Friday
2017年もよろしくお願いします
今年に入って全然日記を更新できていませんでした。遅ればせながら、今年もこの
日記とお相手していただければ嬉しい限りです。どうぞよろしくお願いいたします。
昨年はギリギリまで制作したこともあって、今年は見積りや図面描きなどの事務仕事
からスタートしました。同時にずっと気になっていた実家の自分の荷物の片付けも。
(確か)中学1年生の時に技術の授業で作った本棚が出てきました。大学で家を出る
までずっと使っていた記憶があります。授業では真ん中に仕切りを1つ付けるだけの
はずでしたが、楽しくなった私は先生に許可を得て端材をもらって引き出しを作りました。
全然格好いいとは言えるものではありませんが、木工が好きな気持ちだけは今から思
えばこのとき既に形成されていたのかもしれません。好きなことってそうそう変わらない
ものなんですね^^
『今はもう使わないけれど、大事で捨てられないもの』 そういうものを実家にたくさん
置かせてもらっていましたが、それらは写真に撮って思い出にして、場所を取る実物は
処分しよう。そう思えるようになってきました。これもそのひとつ。これを見てその時の
気持ちを少し思い出しただけでも、とても意義のある片付けでした。
さて、ぶんぶく堂は明日から月末の展示会です。昨年最後の展示会で出した新作の
丸型ダイニングテーブル。昨年、特注で金物を制作してくれる方との出会いがあって
今まで実現できなかったこの形を作れるようになりました。
話は変わって、昨年は県外からも上記の小物のお問い合わせを色々いただく機会が
ありました。ホームページ上で購入できるシステムではないので、わざわざメールにて
お問い合わせいただいたのですが、直接お会いできない、商品を見られない環境で
ご購入を決断する勇気とご期待には、是非とも応えなければという思いに駆られます。
行く行くはネット上でもう少し気軽に商品を買えるようにしたいなと思いつつ、まずは
今年、こういったオリジナルの小物を中心に、地道に商品開発を進めていく年にしたい
なと考えています。
そんなことを考えながら過ごした年末年始にふと思ったことなのですが、この木工の
世界は普段の生活に例えられることが色々あるな、ということです。
例えば料理。はじめた頃は、本を見ながら分量通りに作っては「美味しい」「不味い」
を繰り返して、段々と自分の好きな味を覚えて行きます。今ではネットでレシピを見る事
があっても、分量は自分で好きなようにするし、逆に冷蔵庫にあるものだけでいかに美
味しいものを作れるか、に燃えます。基本を覚えれば、よその家庭にはないオリジナル
の味を作り出すことができます。それが料理の楽しさだと感じます。
洋服も同じ。どんなに好きな形や色で選んでも、似合うかどうかは別物。またそれを着る
為には薄着しなければならず寒い思いをしたり、好きな色なのに自分の肌には似合わ
ない色を知ったり。そうしながら今の自分は『肌触り』『着心地』『色』では妥協しないことが
長く着るコツだとやっとわかるのです。形が気に入って手に取ることは大前提で、そこに
他の価値が加わることで、長く愛せるものになると思うのです。
木工はまさにそれらと同じで、学生の頃はものを作るということがどういうことか分から
ずに、料理本を見るように色んなものを見ながら真似して、違和感を覚えながら自分の
『好き』を知っていきました。洋服でいう肌触りのように、自分は木を扱う上で、どういう
ところで形以外の価値を持ってくるのか、それがようやくはっきりと見え始めたような
気がしています。
料理する前に、その調味料を組み合わせたらどんな味になるのか。それを想像できる
ようになった感じと似ています。そういう思いの中にいると、段々と生活をシンプルに
したいという思いにもなります。それが片付けにもつながったのかなぁ、、なんて。
とにかく今の私の頭の中には作ったらぜったい美味しい!と思える木工品の数々で満た
されています。(もちろん私個人の好みに過ぎませんが。)
それを時間を縫って開発していく年、そんな2017年にしていきたいなという思いです。
出来上がったものは順次展示場に並びます。是非、遊びにいらして下さい^^