2015.07.02 Thursday
梅雨ですね
昨日辺りから蝉が鳴き出しました。朝晩はまだ肌寒いくらいですが、夏真っ盛りは
もう目の前です。蚊はうじゃうじゃ。例年は局地的な豪雨が何日も続いて、家も工房も
ものすごい湿度になるのですが、今年は梅雨前線が福岡までなかなか上がって来ない
ようで、来ても停滞しないようで、しとしと程よい雨が数日置きに降っています。
気が付けばブログの更新が2ヶ月以上滞っておりました。その間も制作の毎日でした。
写真にうまく残せていないものもあるのですが、いくつかご紹介します。
こちらはカヤの木を使って制作した分福椅子。お客様がお持ちの材料を使いました。
カヤの木は碁盤や将棋盤に使われるのが有名です。私も扱うのは初めての材でしたが
目がしっかり詰まって加工しやすく、シナモンのような独特な香りも印象的でした。
この椅子はぶんぶく堂の屋号の由来『ぶんぶく茶釜』にかけて釜をモチーフに、11年
前に形を考えたものです。白い木に柿渋を塗っていた今までとは違い、黄金色の分福
椅子、斬新でした[E:shine]
こちらはぶんぶく堂のロゴを象った時計。月末の展示会でご注文いただいて制作しました。
上の椅子と形は違えど、どちらも『たぬき』がキーワードになっている商品です。ぶんぶく堂
が目指すところは、使いやすさと愛着の持てる形。お届けしたお客様の目にも、そんなふう
に映っているといいなと思います。
背景の窓枠と重なって見えにくいのですが、こちらは特注で制作した靴置き(手前)と
靴を磨く道具類を仕舞う収納(奥)のセット。天板は開閉式で、上に座れるような強度と
椅子にちょうど良い高さで仕上げています。棚にカラフルな革靴やスニーカーが並ぶ
のを想像すると、楽しくなります^^ ウォールナットは色を活かすには最高の素材かも
しれません。
そしてこちらは梅雨前に材木屋さんに配達してもらった、ナラの丸太。幅広く長い板の
皮を剥いで切って、がんばって工房に押し込めました。工房を開設した頃に比べると
ナラはとても手に入りにくくなった材のひとつです。今回は約1年前に丸太で買って乾燥
していた材がようやく使えるようになり、配達してもらいました。国の条約の内容が変わっ
て輸入量が激減したり、為替の変動に価格が左右されたり。木工の道を選んだ時には
考えなかったことですが、必要とあらば、そこに目を背けず進んでいくしかありません。
今あるものを大事に使うことはもちろん、うまく流通していない国産材にも目を向けたり
海外のものでも安定的に手に入るものを選んだり、自分で丸太を製材して乾燥させたり。
とにかく色々な木を知って進んでいくことだと考えています。
そしてこのテーブルたち。この春から、テーブルの天板に脚を直接ねじ込むタイプの
ものをつくり始めています。そもそもは肘置きの付いた椅子を収納できるようにという
ご要望から、試行錯誤で誕生したのですが、そこから少しずつバリエーションが増えて
座卓なども制作しています。現在、小振りなデスクのご注文を別々のお客様から数台
いただいていて、そのモデルを制作中です。このねじ込み式の脚でデスクができれば
コストを抑えて簡単にばらすこともできるようになります。木の反りが出ないように工夫
しながら、この方式で制作する家具と、従来通りホゾで組んで制作する家具、両方を
ご提案できるようになっていきたいと思っています。
ホームページのトップにもお知らせしていますが、8月の月末の展示会を一度お休み
させていただきます。展示場の入れ替えと、更なる充実が目的です。デスクのモデル等も
仕上げて展示する予定です。7月は予定通り展示会を行います。
どうぞよろしくお願いいたします。