寒がりな私でもやっていけるのは九州だから

1月の末、例年より早く梅がぽつぽつ咲き出して、今年は春の訪れも早いのかな〜

なんて期待していましたが、またものすごい寒さに逆戻り。週末2日間の展示会では

古民家の展示場を温めるには、ストーブ3台がフル稼働でした。

でも『立春』は暦の上では春。不思議と昨日までの寒さがちょっと和らいで温かさを

感じる一日でした。学生の頃は北海道の旭川家具に憧れていた時期もありましたが

九州のこの寒さでガタガタ言っている身では憧れもへったくれもありません。はい。

今年に入ってからは、昨年末までに制作がおわらなかった小物を中心に仕事を進めて

います。

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籐かごの作家さんからのご依頼でもう8年以上も制作しているバッグの取っ手。この春

には東京でバッグの企画展もされるそうで、自分の手元から離れて様々な用途で使わ

れて行くことを想像すると、なんだか面白いものです。

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こちらも数年来制作している帽子作家さんからのご依頼の商品。このカーブした頭の

部分に布をあてて、帽子の生地にアイロンをかけるのだそうです。帽子教室の生徒さ

んが増えるごとにご注文をいただいてきました。異業種の方の木の道具をつくるという

のはこれまた面白さを感じるところです。

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こちらはとある会社の歴代の社長さんのお名前を、真鍮のプレートに刻んで貼付ける

ための額型のボード。見本の手板からブビンガという赤い木を選ばれました。目の詰

まった重い木で、艶もよく出ます。壁にしっかりと固定できるように裏には専用の金具も

取り付けました。この後真鍮の加工をしてくださるところにバトンタッチしたため、納品の

様子は見られませんでしたが、後日写真を送ってもらえることになっています。

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こちらは日本画家をされている(友人ご夫婦)からのご依頼で制作した奥行きのある

額縁。一部(羽子板の額以外)をつくりました。ハマグリに金箔を貼り、中に岩絵の具

で絵が描かれています。とっても繊細な貝合わせの作品が引き立ついいものになれば

と思っていましたが、実際に中が収まったところを見られてよかったです。

絵を描く方は、きっと額まで含めての作品だと思って制作されているはずです。市販品

の中に思うようなものがなく、今回のように枠まで考えることができる機会を喜んでもら

えるのなら、私にとってもこんな嬉しいことはありません。2月末のぶんぶく堂の展示会

では、この貝合わせを一部飾らせてもらうことになっています。お雛様の柄もあったので

シーズンもぴったりですね。

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そしてこれは前回の日記に書いていた庭の桐の木を切り、製材した後の様子。

お世話になっている材木屋さんや、インターネットの情報等を統合してこのスタイルで

乾燥させることに決めました。雨に打たせて桐の持つ独特のアクを抜きます。最近は

こういう方法を取って乾燥させる工房は少なく、雨に濡れない場所で乾燥させるので

アクは残ったままだそうです。私も桐は扱ったことが何度もありますが、買った時は

真っ白な桐が次第に黒ずんできてしまうのは仕様がないのだと思っていました。

ですがそれがアクの仕業ならば、試してみたいということで。手間はかかりますが、

こうして雨に打たせて、自然に約一年乾燥させた材で自家用の箪笥を作ってみよう

と思います。アク抜きの実験です。

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それからこれは庭に夫が作ってくれた薪小屋です。日曜日を半日使ってのDIY。

月末の展示会を2日間に縮小した分、展示場、その周りの生活空間を整える時間に

あてたいと考えています。

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これは現在の展示場の様子。毎月レイアウトを変えて、新作を出していきたいと思い

ます。小物中心の制作も一段落。2月は展示会の準備以外はひたすらご注文いただ

いている家具作り。寒さに負けず、頑張るぞー。

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