2012.02.15 Wednesday
材の再生
先日知り合いの方の紹介で、飯塚のとあるお宅に伺いました。
今回築86年になる納屋を取り壊すので、もし使い道があるなら柱や梁
などを持っていかないか、というお話をいただいてのことでした。
なんとも立派な納屋でした。2階建てで、上には人も住んでいたそうです。
梁には松が使われていました。
窓枠には、堅い木が使われていました。古くてはっきりとは見えませんが
おそらくナラか、カシの木だと思われます。
入口の柱には、水に強いカヤの木が使われているようでした。
木の繊維方向を見極めてつくることで、丈夫で長く使えるものが生まれて
いきます。が、それに加えて、用途や場所によって木の種類を使い分ける
というのがとても興味深いところでした。資源の限られた現在の建築では
なかなか成し得ることではありません。
こうしてもらってきたいくつかの材を使って、今後新しいものを制作して
いけたらいいなと考えています。90年近く経っていても、木は削ればまた
生まれたてのような木肌を出してくれるのです。
その中でも、まずはこの材料をくださった方の娘さんが近々ご結婚される
そうなので、お礼に何か記念になるものをつくってお渡しできればと思って
います。今までにも、木材を再生させることは何度かやってきました。その度に
思うことは、かたちが変わっても、ぬくもりはずっと変わらないということ。
もとのものに思い入れがあれば尚更、木の持つ独特の空気もずっと変わらない
気がします。こういう仕事を通して、また木の魅力に取り付かれるのでした。
(追伸)
この材料は夫と2人で取りに伺ったのですが、あーでもない、こー
でもないと2人でわーわーと運んでいたら、近所から手伝いに来られていた
おじさんに「あんたたちは、なんね、兄妹ね。」と声をかけられました。
なぜ、そんなことを言われたのか理由がわからず、でもおもしろく、帰り道
そのことを話題にすると、夫いわく「あんた、化粧もろくにしないから、
たぶん男に見られたんよ。」と。
ひどいわー。
そうなの!?そういうことなの!?
若く見られたとかじゃないの!?