展示会、間もなくです

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お盆の3日間は夫の実家、熊本で義母の初盆を迎えました。地区の中でも

実家のある村の初盆は独特の風習で、お墓を電球でライトアップしてその前

で酒盛りをするのです。いわゆるお墓での『迎え』と『送り』です。

家にお参りをするのではなく皆、お墓に出向きます。初盆の家ではそこで

酒盛りをしていて、来て下さった方にもお酒を振る舞う。そんな文化なのです。

沖縄地方では、家ほどもある大きなお墓の中で、お盆に酒盛りをすると父から

聞いたことがありましたが、そこに負けず劣らずの風習でした。

あぁ、でも自分がお墓に入る身だったら、そんなふうにみんながお墓の前で

わいわいしてくれたら、うれしいな〜なんて考えていました。

忙しくも、いつもよりゆっくり時間が流れていくのを感じながら体の疲れも

抜けていきました。

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お盆が明けて数日後、庭の一角に父が数ヶ月前からこつこつ作っていた

鶏小屋が完成しました。横切りと縦切りのみ木工用機械を使って、後の

ホゾ加工などは全部手作業です。大工さんも真っ青。。図面は描かずに

その場でいいかたちを探しながら手を動かしていく様子が自分にそっくり

で(いや、自分が父にそっくりか)思わずニヤけてしまいました。

私が幼い頃、父は二股に割れた木の枝からパチンコを作ってくれたり、いい

太さの竹を探して竹馬を作ってくれたり、他にも数えきれない程ものづくりを

する姿を見せてくれました。市販されているプラスチックのおもちゃにはない

魅力が満載で、自分でも幼いながらに真似しながらいろんなものをつくって遊び

ました。そういう背中を見ていなかったら、ものをつくる意欲は眠っていたかも

しれません。小さな怪我は絶えませんでしたが、自由な時間や機会を両親に

与えてもらっていたことを、今になってとても感謝しています。

さて、明後日26日(金)からは月末の展示会です。昨年末にはじめてから今回で

9回目。最初と比べたら、商品もかなり入れ替わっております。

もともと定番商品をさほど限定せずに、展示場の商品が売れた時には、全く違う

かたちのものを提案し続けてきました。(確固として定めた商品以外で過去に

作ったものは写真のデータのみでお客様に見ていただけて、ご注文も可能です。)

そうやっていくことで、確実に展示場の雰囲気も空気が入れ替わるように少しずつ

新しさを帯びていき、また、自分自身も常に新しいものを探していこうという

好奇心の中で制作していけます。過去に作ったものを再現することはいつでも

できるので、その時間はいつも前に向けていたいと考えています。

例えばすごく素敵な曲を書いても、そこで満足したりお金や時間のしがらみに

とらわれたりすると、それ以上のものを生み出せなくなるかもしれません。

逆に曲調も歌詞の内容も少しずつ変わってきているのに、その時代時代に合って

ずっとその人のカラーを失わずに素敵だと感じさせる歌手がいます。

後者のように、自分も過去に作ったものを大切にしながら、でもそれだけに執着

せずに年齢とともに変化していくものづくりができたら、、、と思うのです。

そこが定番商品をあまり置かない、特注家具屋の醍醐味でもあるだろうと。

前置きは長くなりましたが、受注制作だけでなく展示会も精力的に行って

います。どうぞお気軽にお立ち寄り下さい。