実は突然なのですが、今日のお知らせというのは10月上旬に私が出産予定で、この9月から産休に入ります。というお知らせです。展示会のお問い合わせを下さった方や、ホームページを見て家具のお問い合わせを下さった方々には事情を説明しておりましたが、そのお返事もままならなくなってくるため、今日のお知らせとなりました。せっかくご連絡いただいた皆様、本当に申し訳ございません。夫が担当している旋盤技術の仕事は引き続き行ってまいりますが、私が担当してきた特注家具の仕事、また不定期ですが展示会の開催は来年春頃までを目処にお休みさせていただきます。
開業して18年、結婚して14年、夫をこの仕事に巻き込んで12年。お正月以外、家にいれば日曜日も仕事してしまう日々を長らく続けてきましたが、一旦ここで立ち止まって、生活スタイルと仕事のスタイルをもう一度見直しつつ確立していけたらいいなぁと思っています。子育てという未知の世界、木工の道を見つけた時くらい、夫と一緒に生きていくと決めた時くらいワクワクしています。
以下の写真は妊娠が分かってから制作した家具たち。重いものは夫に持ってもらいながら、お客様には事情を話して納期を延ばしてもらったり搬入を手伝っていただいたりしました。ご理解とご協力いただき本当にありがとうございました。お腹の子にはもちろん細心の注意を払い無理はせず、でしたが想像以上の安定感でここまで来ることができました。つわりもなかったなんて奇跡。お子よありがとう。仕事を休むと足が浮腫むという変な体質であることもわかり「ダルビッシュの奥さんも、ラミレスの奥さんも、妊娠期間中に筋トレしてるって!」とある程度動いていないと私も落ち着かないという趣旨の話を夫によくしていましたが「全国規模で見ても妊娠中に家具を作っている女の人、他におるかね。」と最もなことを言われ続けていました。でもこれで心置きなく休みに入れます。
今年の春。新築のお宅に。こちらのご主人が家を建てる際にはこの座右の銘を額に入れて飾ると決めていらっしゃったそう。
お雛様と屏風を収納するための箱。なるべく薄く、軽く、でも強度はしっかりと。
ねじ込み式で脚を着脱できるパソコンデスク。ウォールナット材にウレタン塗装仕上げ。
手前に少し写っているローテーブルは昨年制作したもの。同じ素材(オーク)でテレビ台を制作。つまみがついていない引き出しや扉はプッシュオープン式。
テレビ台と同じお客様からのご依頼で、ソファの生地の張り替え。爽やかなブルーグレーになりました。
逆光な上に真っ黒塗りつぶし塗装なので見にくいですが、お仏壇の前に置くサイドテーブルと小椅子。同じ高さ、同じサイズですが脚の形を少し変えました。
額縁と暖簾掛け。絵のサイズに合わせて、暖簾の幅に合わせて制作しました。
三人がけソファ。オーク材に少し茶色をのせたウレタン塗装仕上げです。緑色の生地が和室にぴったり合って見えました。
新築のお宅に納品したチェリーのダイニングテーブル。合わせてご希望されていたダイニングチェアは産休までに間に合わなかったため、仕事再開の来年に持ち越します。ご理解いただきありがとうございます。お腹が大きくなって、制作が困難なのはテーブルよりもソファよりも実は椅子だったりしました。
昨年末からお話を頂いて、少しずつ打ち合わせで進めているうちに私の妊娠がわかり、さらに遅れて8月に納品いたしました🙏こちらにも4月に生まれたばかりのお子様がいらっしゃって、ご家族四人でゆったりくつろいでいただけるソファになっていればいいなぁと思います。季節を問わない鮮やかなブルーの生地に、木枠はタモ材のウレタン仕上げ。
こちらの方も昨年末からお話を頂いていたメープルのデスク。素材、引き出しの大きさ、深さ、つまみの形状など、全てお客様のご希望に沿って制作しました。大変お待たせしたのにも関わらず、本当に喜んでくださったのが伝わってきて嬉しくなりました^^
ウォールナットのウレタン塗装仕上げ。紫の生地が落ち着いた雰囲気でお部屋にもすごく馴染んで見えました。人が集まった時にはこのソファでお食事もできるよう高さを考えました。自分で塗装するオイル仕上げももちろん無垢材を活かした塗装方法ですが、ご希望があれば水滴残りや輪染みに強いウレタン塗装を施すことができます。信頼できる塗装屋さんのおかげで、無垢材がより綺麗に仕上がって商品化できていることを実感します。
前回の最後の投稿でも納品していました、香港のレストランからのご依頼品。Instagramから写真をお借りしました。1枚目の写真は業務用のラップを入れるための木の箱。付属のカッターでスムーズに切れるか、ラップがしっかり回転するか、実際に送り届けて使ってもらうまでドキドキしました。2台目となる包丁ラックも合わせて問題なく無事納品✨
こちらはその香港のお店に以前納品した巨大鰹節削り器で、インスタをご覧になられた香港在住の別の料理人の方から同じものをご依頼いただきました。最初にこの形を考案されたシェフに許可を取って制作。海外と何の接点もないぶんぶく堂がこんな風に知られて広がっていくのは、本当にSNSの凄さだと実感します。
ベンチの背もたれをカットしてテーブルとしても使えるものにしたいというご依頼。座面の角度をなくし、カットした背板を一枚座面に付け足しました。飼い猫が引っ掻いたという思い出の傷はそのままに、少しワックスをかけて仕上げ。
そしてこれが産休前最後の納品。以前大丸の催事で商品を見て頂いていたお客様で、納品まで実際にお会いせずお手紙やお電話での打ち合わせで進めていきました。ご自宅にお邪魔したり展示場で商品を見ながらというわけではない中、その信頼を裏切らぬようできる限りの誠心誠意で。実際にお会いせず、という意味ではネットやカタログで購入する家具に近いかもしれませんが、作者が納品するというところだけが絶対的な違いですね。自信を持ってお届けできる商品になったと思っています。ウォールナットのウレタン塗装仕上げ。
という具合の妊娠期間中の納品事例忘備録でした。
とにかくここまでの間、時間はいつもの数倍かかりましたがどうにか仕事を進めてこられました。お客様のご理解あってのこと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。しばしの間お休みをいただきますが、木工から離れて気づくこと、これからのビジョンも何か浮かんでくるかもしれません。できればグレードアップして再開できるよう、努めて参ります。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
]]>
前回と同じく福岡産の京築ヒノキを使用しています。お皿などと同じ塗装で、丸洗いすることも可能です。下段には保冷剤を入れて置き、スノコの上に食材を置きます。必要な大きさと深さをお聞きし、それ以外はほぼお任せいただきました。お寿司を握る動作だと、蓋の開け閉めを一回一回行うのは大変だろうと思い、開閉の途中でも止められる蝶番を使用しました。
側面にはお店のロゴをレーザーで刻印しています。ご依頼主であるシェフに実寸のイメージ図を見ていただき、ロゴの大きさや位置を決めてもらいました。
こちらがシェフがSNSに上げて下さった写真です。遠く離れた香港で実際に使われている姿を見られるとは😭大変喜んでいただけて私も嬉しくなりました。
さて、話は変わって展示会のお知らせです。7月20日よりホームページのお問い合わせフォームからご予約の受付を開始いたします。展示会の開催期間は8月21日(土)〜29日(日)までの9日間です。前回の展示会(昨年11月)に出したものもいくつかご覧いただけますが、また新たに様々な商品をご用意いたします。雰囲気も新たに、お楽しみいただける場となるよう準備いたしますので、どうぞ遊びにいらしてください。
]]>
タイトルにもしていますが、少し遡って制作したもののご紹介です。
こちらは、香港にあるミシュラン二つ星のフレンチレストランからのご依頼で制作した包丁スタンドです。といってももちろん香港から直接オーダーが来たわけではなく、レストランのシェフとぶんぶく堂、共通の知人の方からのご紹介でこのご依頼を受けることになりました。そちらのレストランでは日本の食材が主に使われていて、シェフはとても親日家であるという話を最初に聞きました。ですので包丁スタンドも日本の材木(できれば福岡の)を使ってほしい、また湿度の高い香港でもカビが生えず長く使えるような塗装をしてほしい、とのことでした。
ぶんぶく堂で主に使っている材はアメリカ材の広葉樹になりますが、近所で伐採された丸太を製材して使うこともありますし、国産の材が手に入る時はその都度興味を持って仕入れてもきました。日本にいながら、意外と家具に使える日本の材を仕入れるというのは難しく、こういう依頼を受けられる工房は少ないのかもしれません。今回は以前から好きで使っている福岡県の京築ヒノキという材を用いることにしました。ヒノキは元々抗菌作用を持つ材でもあるので、カビや湿気に対応するにも良い材だと判断しました。この写真は香港へ送った後、実際に包丁を掛けてシェフが撮ってくださったものです。シェフ個人のInstagramにも上げてくださり、メールのやり取りでもとても気に入ってもらえたことが伝わってきました。
こちらが包丁を掛けていない時の状態。高さは45cmほどあります。わざわざ日本の材で、日本で作られたものを欲しいと言ってくださっているからにはと、私もいくつかご提案する形には和の要素を入れようと心がけました。包丁を置いていない時、置いた時にシルエットがどんなふうに見えるか。シェフが実際に使われている包丁の写真をいただいて、10分の1サイズの図面の中で小さな包丁を何度も並べてイメージしました。気に入っていただけたことが何よりです。塗装もしっかり施したので、これから高い湿度の中でも長く愛用していただけるものになったと思います^^
]]>
お嫁入りの箪笥とセットになっていた靴箱。家をリフォームするにあたり、靴箱は作り付けになるため必要なくなるとのことでした。
靴を置いていた固定棚を外して、高さを下げるために台輪を外します。
中は可動式の棚になり電話台に生まれ変わりました。右下の箱の奥は背板がくり抜かれているので、Wi-Fiルーターなどを置けるようになっています。玄関で長く使われていたこともあり、他の家具よりも塗装の劣化が進んでいたため上から綺麗に塗り直ししました。
新品のようなマットな艶感✨ウレタン塗装は専門の業者さんにお願いしています。塗装のプロにお願いできることで、私自身のやりたいことやお客様にご提案できることも増えてきました。
作り付けの収納が増えて家具を使う場面が減っていく中で、こうして思い入れのあるものをリメイクして、用途を変えたり場所を変えたり使い勝手よく変えたり、そういうお手伝いができるのは新しい家具を作るのとはまた違った喜びがありますね^^
2月末から今日この日記を更新するまで、怒涛の忙しさでございました。そんなお雛様の頃にお客様から届いた一枚のハガキ。素敵〜。嬉しい〜。部屋に飾って眺めてこの忙しさの中癒されておりました。この仕事をしていなかったらお会いしていなかったであろう方々とのご縁に支えられていることが本当に嬉しいなぁと、歳を重ねるたびにしみじみ思います。
季節も暖かく過ごしやすくなってきました。引き続きお待たせしている商品の制作、頑張ってまいります。
]]>
さてこちらは昨年の夏にお預かりした家具。家をリフォームするタイミングに合わせて、家具のリメイクのご依頼をいただきました。奥様がお嫁に来た時の箪笥だそうです。
扉を外し、着物用の浅い引き出しを洋服用に深い桐箪笥に作り替えました。底板など、使える部材はなるべくそのまま使って。
リフォームが済んだお宅には新しくウォークインクローゼットが出来ていました。扉は外したまま、着物を入れる和箪笥は洋服箪笥に生まれ変わりました。
こちらは上段のガラスケースを取り外して、箪笥と別々の用途で使うことに。
和箪笥から取り外した扉をカットして、先程の上段のガラスケースだった本体と組み合わせて、、、
テレビ台になりました✨
背面はコードを取り出せるよう穴を開けています。ガラスのままでも良いのだけれど、中は見えなくてもいいし、今までと違う雰囲気にリメイクできれば。というお客様のご要望から、使わなくなる和箪笥の扉を記念に残す方法をご提案をさせていただきました。下の箪笥は、先ほどのウォークインクローゼットの奥に収まりました。もう少し続きがありますが、ちょっと長くなってきましたので、そちらはまた次回に。
]]>
というわけで、この日記ではしばらく滞っていた納品事例をご紹介していきます。
こちらは今年の春に納品したトイレの扉。鍵は一応付けるけれど、家族だし締めなくても良いように、中に人がいるのがわかるよう障子を貼った建具にして欲しいというご要望でした。お客様に選んでいただき、竹の柄が透けて見える破れにくい障子を使用しました。
こちらは同じお宅の勝手口。格子の中は網戸になっています。この奥に別のガラス戸があるので、ガラス戸の鍵を締めることも、換気しながらこの網戸で鍵を締めることもできます。ちょうどコロナの緊急事態宣言が出された頃で、網戸で換気ができつつ施錠もできるのはよかったですねという話になりました。この扉は昨年からいただいていたお話で、建具は専門の業者さんがたくさんいらっしゃるのでご依頼自体が稀なのですが、自分の要望を伝えてもなかなかイメージ通りの形にしてもらうのは難しいと知っているので、敢えてうちにお願いしたいと言っていただきました。なんとも嬉しいお言葉でした。
明日からは福岡もぐっと気温が下がるそうで、今日はその予兆のような肌寒い気候でした。天気の良い昼間は半袖でもギリギリ過ごせていたので、これが普通なのでしょうけれど急に冬に向かっている感じがしますね。。北海道や大阪、愛知ではコロナの感染者数が再び急増しているというニュースを目にします。福岡はまだ毎日一桁を保っていますが、寒くなり乾燥する季節の変わり目、油断はできないですね。展示会を催す側としても気を緩めずにいたいと思います。ではまた、展示会までに日記が更新されるようであれば、まだ少し余裕があるのねと思ってください。笑
]]>
台風10号が来る際には未だかつてないほどの備えをしました。
これが通常の我が家(展示場)。
台風が来る前の日。『ペットボトルが飛んできても窓ガラスが割れるレベルの風速』という報道にびびって、窓という窓はほぼすべて塞ぎました。
ベニヤを打ち付けている私。コロナでマスクしながら台風対策とかあとで振り返ってもなかなか無いでしょうこんな写真。笑
台風が来る二日前からの対策と、翌日の片付けで丸々4日間は通常の仕事ができませんでした。が、家には被害なく済みました。展示場の窓が割れて屋根が吹き飛んだりでもしたら、4日間のロスでは済まされ無いのだからと自分に言い聞かせながら作業しました。昔の家なので、束石の上に乗っているだけの構造。台風で突風が吹くと夜中に時々家が浮くような感覚がありました。本当に怖かったT_T
この台風前後、木工の大事な機械が壊れる事態にも見舞われました。部品を直してもらうための鉄工所に機械を持ち込んだり引き取ったりその後の調整を自分でしたり。もともと木工機械は中古のものなのですが、16年も使っていると自分の癖のようなものが機械にも染み付いてくるというか。今はネットで色んなことが調べられるので、細かい調整を自分なりに覚えていけるのですが、木工の精度をあげようと思ったら機械のこともある程度わかっていなければならない。けど中々そこに時間を割けないという葛藤もあります。でもこれも家と同じで、大元が壊れてしまったら木工どころじゃなくなる、ということを自分に言い聞かせながら作業しました。台風も、機械の故障も、大切なものに改めて自分の関心を向ける良い機会だったと思うことにして。
他にも9月は個人的に色んな出来事がありました。慌ただしくて、心や体が追いつかないまま日々が過ぎていくような感覚。だからこんなにもあっという間に感じる1ヶ月だったのかなぁ。世の中に目を向けてもコロナや災害や他にもたくさん心が暗くなるニュースが続いていますね。今思っても、あとで振り返っても、2020年はなんだかすごい年だなぁ、だったなぁと記憶に残るだろうと思います。
そういうモヤモヤをほんのちょっとの時間でも忘れて楽しめる展示会を!!ということで展示会のページでは数日前からお伝えしてきておりますが、11月21日〜29日の間、ぶんぶく堂では予約制の展示会を開催いたします。見ていてワクワクするようなもの、時間ができたら作りたいと心に温めてきた構想を形にします。お客様と久しぶりにお会いできることを楽しみに、今月半ばから約1ヶ月強の制作期間を設けて取り組みます。予約の開始は明後日10月4日からとなっております。詳しくはこちらをご覧ください。
ご注文品の制作もそうこうしているうちに遅れが出ています。気候も良くなってきたので遅れを取り戻すべく、ここからはペースアップして制作頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
現在展示会はお休みしていますが、ありがたいことにご注文は以前とほとんど変わらずにいただいていて、年内の制作予定はほとんど埋まってきている状況です。9月後半〜10月末までは展示会用の商品を集中して制作する期間として設けていますが、この暑さでご注文の制作が少しずつ押しているので、できる限り効率よく進めて行きたいものです。
なかなか更新できていない納品事例ですが、少しずつ。
こちらは今年の3月、まだ寒い時期に納品したオーク材の本棚です。どんなものでも入れられるよう、無印のカゴやBOX型の収納がきれいに収まるサイズに仕上げました。今はお子様のおもちゃや絵本を入れることをメインに考えているとのことでしたが、小学生に上がれば教科書なども入れられるかもしれませんね。ファイルや雑誌も入る大きさなので、家族みんなで子供から大人まで使える本棚になってくれたらいいなぁと思います。
別件ですがこちらも材は同じくオーク材。鉄脚のデスクです。普段はリビングの食卓で宿題をしているという小学生のお子様用にご注文いただきました。設置したのは同じリビングではありますが、自分だけの場所で椅子に座ると、集中力も高まりそうですね^^
納品事例を少しずつ更新しつつ、10月の展示会の詳細も決まりつつあるのでまたこの場でお知らせしてまいります。皆様どうぞこの暑さに気をつけてお過ごしください。コロナの感染者も若干減りつつあるのが、良い兆しだといいなぁ。。
]]>
『展示会』のページでも同時にお知らせしていますが、ここでも同じ文章を載せたいと思います。
新型コロナウィルスの影響に伴い、4月より展示会をお休みしてきましたが、ここへきて東京をはじめ福岡も4月を超える感染者数となってまいりました。開催日が月に2日間しかないため、混雑しないよう予約制にする、開催日を増やすなど考えてきましたが、その結果10月末から約10日間の完全予約制展示会を行うことにしました。新作を20点以上制作することを目標に、展示場のレイアウトも一新する予定です。過去に2度、福岡県立美術館にて新作をお披露目する展示会を行いましたが、今度はそれを自社の展示場にて行うというものです。その時期、コロナの影響がどのようになっているかによっては開催できない可能性も有りますが、室内を十分に換気できる涼しい季節に、予約制にすることでゆっくりと安心して見ていただける場を作る所存です。常連で来てくださっていたお客さまをはじめ、毎月色んな方々とお会いする喜びや楽しさを今は全く感じられず残念ですが、長い目でこの環境と共存していくためにも、少々準備にお時間をいただきます。詳細の日程が決まり次第こちらでご案内いたしますので、その際はぜひ新しくなった展示場へお越しください。
こちらは新作のリモコン入れ。10月の展示会ではこのような箱を中心に新作をたくさん作る予定です。また、日記も気を抜くとすぐに滞ってしまいますが、、、まだまだご紹介できていない商品を遡って載せまいります。今日は展示会についてのお知らせでした。
]]>前々回の日記でダイニングテーブルを塗り直した話をしていました。今、それに合わ
せて椅子を制作していますと書いていた件。ようやく形になって納品して参りました。
背もたれから床に向かって、少しだけ左右に脚がハの字に開いています。新作の椅子を
考えたのは数年ぶりのこと。お客様からは昨年末にお話をいただいていました。完成まで
だいぶ時間がかかってしまいましたが、自分自身も納得でき、お客様にも喜んでいただける
商品となりました。食卓のテーブルなので、座面に傾斜は付けず、座りは若干浅めですが
背筋がすっと伸びて気持ちよく座れる作りを目指しました。こちらのお宅には別にソファも
あって、食卓の椅子でテレビを見たりゆっくり寛ぐような使い方はしないと仰っていたのも
あり、奥行きの少し浅いこの仕上がりになりました。
この写真はぶんぶく堂の定番商品である子供椅子。今回のお客様はこの椅子を気に
入ってくださり、過去にお孫さんお二人にプレゼントされていた経緯から、これを
大人用に大きくしたような形はどうでしょうとご提案しました。
収納家具などはそのお宅に合わせて使いやすさがそれぞれに違いますが、椅子は体格
の違う人それぞれが座っても心地よいと感じなければいけません。座面と背もたれと
いうたった二つの要素で好きな形を追い求める難しさもあります。でも出来上がった
ものは自分のオリジナルとして長く残せる嬉しさもあります。椅子はある意味家具作
りの究極なのかもしれません。。
そして、展示会のお知らせもここで。展示会のページにも書いていますが、今までの
月末2日間のスタイルでは、なかなかコロナの対策を取るのがまだ難しい状況ですの
で、もうしばらくお休みを取らせていただきます。その代わりというわけではありま
せんが、この新作の椅子や子供椅子など、定番商品としているものもなかなか普段
展示場に常備できていない現状ですので、これを機に見応えのある展示場作りを目指
していきます。木製品は特に、触って感覚を確かめるものなので安心してご覧いただけ
ることが何より大事だと思います。予約制にする、開催日数を増やす、などの案も頭に
入れながら進んでまいります。ホームページにて随時お知らせして参りますので、よろ
しくお願いいたします。
]]>
こちらは戦前の中国の家具。文字や図柄を浮き上がらせた彫刻で、とても手の込んだものです。
材料は紫檀という高級材が使われていました。中に棚板を増やし、引き出しの開閉をスムーズに。
全体のクリーニングと、見えないよう地面スレスレでキャスターを取り付けたいというご要望でした。
中に棚板が一枚だけしか置けなかったのですが、棚柱を付けることによって、好きな高さに
棚板を置けるようにしました。追加で棚板も、もう一枚制作しました。設備の無い時代に
手作業だけでこの精度を出しているのかと大変勉強になりました。側板はとても薄い作りで
あったため、棚柱はボンドテープという素材を使って固定しています。底に付けるキャスター
も、直接ビスを打ち込むことに抵抗があったため、キャスター付きの板を作って、その上に
被せるような方式を取りました。とても価値のあるものだけれど、とても見応えのあるもの
だけれど、棚板がもう一枚増えたら日常でさらに使いやすくなる。重いからキャスターで動く
と便利だな。そういう素朴だけど大事な部分。長く引き継がれて使われるものであるために
必要なことも学んだ気がします。現代の素材を使って機能的に。でも無闇に穴を開けずに元
に戻すこともできるように。
話は変わりまして、今月6月6日、7日の土日に予定しておりましたGreenLife Marketの
開催は3月から延期して様子を見てきた状態でしたが、この度開催中止が決定いたしました。
自粛要請は解除されたものの、経済を動かしながらウィルスと共存という道を手探りで選ぶ
今の状況ではまだ大きなイベントは難しいと判断されました。コロナの終息を待って、願って
落ち着いた状況で安心して行けるイベントとしてまた開催される日を待ち望んでいます。
]]>
緊急事態宣言が解除されて、今週から福岡は学校も始まりだしたようです。海外では
1日1万人単位で感染者が増えている国もあったり、先が見えず不安なままの再始動と
いう感じですが、ワクチンが無い状態で経済を回すためには共存していくしかないという
考えも致し方無いのかなとも思います。気を抜かずに自分で選んで進んでいかねば。。
そういえば今年に入ってから制作したもののご紹介が全然できてないことに気づきました。
2月は蚤の市に出店したり、3月はコロナの影響で展示会やイベントができなくなって
きたりして、気がつけばもう5月も終盤。こまめに日記を更新するためにも、ひとつずつ
ご紹介していきます。
長年使われてきたテーブルの塗り直しのご依頼です。
1枚目の写真の濃い焦げ茶色だったテーブルを、少し明るくウォールナット色に近づけ
ました。いや、正確に言うと近づけてもらいました、です。このマットな艶のウレタン
塗装に関しては、外注加工をお願いしています。こちらがお願いした艶感や色味をいつも
しっかり汲み取って仕上げて下さる、凄腕の塗装屋さんです。
テーブルの全体像。左に写っているのは、数年前に納めたウォールナットの食器棚。
今回、テーブルをそれに近い色に塗り直しました。そして今まさに、このダイニング
テーブルに合わせた椅子を制作中です。長年使っても木はしっかりしているのに、塗装
が剥げてなんか残念。という家具を今まで数えきれないほど見てきました。愛着のある
家具が塗装だけでこのように蘇るのは、嬉しいことですよね^^
]]>
人と会えないなんていう日が来るなんて。それも世界中で。自粛要請も5月6日に解除
とはとても思えません。1年以上かかると言っている専門家の話も耳にします。
先行きが見通せない中、ひとまず今月の展示会はお休みとさせていただきます。
ご注文してくださっている方には、納品のご準備ができ次第順にご連絡いたします。
受け取りや配達、ご郵送など、安全に配慮して取り組んでいく所存です。
少し遅れ気味ではありますが、現在はいただいている注文を制作する毎日です。
過去に商品をご購入いただいたお客様から「家にいる時間の長い今、余計に手元に
木のあたたかみがあることの癒しを実感しています。」とのご連絡をいただく機会があり
ました。こういう時に、本当に嬉しい言葉でした。今までもこれからも、細く長く続けて
いけるよう、終息した際には見応えのある新商品が増えたと言っていただけるように、元気に
制作を続けていかねばと思います。日記もこまめに更新していきますので、家に居る時間に
読んでいただければ幸いです。取り急ぎ、明日から予定しています展示会休止のお知らせでした。
]]>
一日、一週間、一ヶ月、一年があっっっという間に過ぎて行くなぁ、過ぎたなぁと
思った年末から、もう一ヶ月近く経とうとしています。あぁ早い。
年始からご注文いただいている商品をコツコツと作っていますが、今日は蚤の市の
お知らせを。
来月2月8日(土)9日(日)の二日間、福岡護国神社で蚤の市が開催されます。
今年は自社の展示会以外にも、思い切って参加してみたいなぁということで。
出店に応募して、無事審査を通過することができました。
ぶんぶく堂は二日目の 9日(日)の出店です。
https://gnominoichi2.wordpress.com
かわいい丸が並ぶ紹介欄に、ぶんぶく堂も入れてもらっています^^
そしてもう一つお知らせです。
そのさらに翌月の3月14(土)15(日)、今度は福岡市の舞鶴公園にて行われる
Green Life Market にも出店が決まりました。ぶんぶく堂は初日の14日(土)の
出店となります。グリーンと蚤の市が融合した新しいマーケットです。
インテリアグリーンやガーデニング植物、ドライフラワー、マニアックな植物や
グリーン雑貨など緑にまつわるものが中心に販売されます。美味しい食べ物、飲み物の
お店も充実した楽しいイベントとなっていますので、春先のお出かけにどうぞお立ち
寄りくださいませ。ぶんぶく堂も一輪挿し他、グリーンにまつわる商品を持って行き
ますょ。詳しくは護国神社蚤の市のホームページをご覧ください。
そして最初にも書きましたが、今週末25日(土)26日(日)はぶんぶく堂の月末
二日間の展示会です。昨年から少しずつ心掛けてきましたが、今年は更に展示場商品の
充実を目指していきたいと思っています。その中から厳選した商品、新商品を引っさげて
いざ蚤の市へ✨見る方がワクワクするようなものづくり、今年も頑張ります!
]]>大晦日、明日元旦のおせち料理の準備を手伝いながら、日記を更新しています^^
少し前を振り返って、納品事例を載せてみたいと思います。今年も色々作りました!
以前テーブルを納品していたご家庭に、少し遅れてベンチを納品しました。
木をふんだんに使った空間にすっきりと納まりました。長さ1960という特大
サイズのテーブルなので、ベンチにはゆったり3人で座ることができます。
こちらはキッチン用のワゴン。天板はお客様が自ら色を塗られました。チェリーの
本体といい相性でした。棚板は高さを自由に変えることができる仕組みです。
そしてこちら。一体何でしょう???
天板が開きます。好きな角度で止めることができます。内側には鏡が。
地面スレスレですがキャスターが付いていて、左右の開閉が簡単にできます。
棚板や引き出しがびっしり。こちらはお化粧道具を収納するための家具、でした。
ソファに座って、鏡を好きな角度で調整することができます。移動式の化粧台と
いう感じでしょうか。私、女とは思えないほど化粧道具、化粧品を持っていないの
ですが、使いやすさを追求することだけはできます。笑
元々箱を作ることが大好きなので、大小様々な箱を組み合わせたようなこの家具は
私自身も作っていてワクワクするものがありました。左側の薄い棚には、お客様が
持っているカラフルな紙の箱をずらっと並べて入れられるそうです^^
この12月には、、家を建てた時の余りの材料(ヒノキ)で玄関に置く台の制作が
できないかというご依頼品を受けて制作したり、、、
ベッドサイドに置くチェリーのテーブルを制作したり。丸脚に、天板は少しカーブした
形になっています。ソファのサイドテーブルとしても使えると、喜んでいただけました。
そして年末最後の納品は、組み立て式のソファと座卓。パーツをバラバラにする
ことができるので、マンションへの納品もスムーズでした。
裏面は少々金具が目立ちますが、使用する際には全く見えません。天板が反らない
ように固定するための金具と、脚をねじ込むための金具、二枚の天板をしっかり
ジョイントするための金具、です。
裏から見るとこんな感じです。
天板はねじ込み式の脚を外すと、ソファの下に収納することができます。
天板が収まっていることがほとんどわからないように。
そして外した脚は、座面の下に収納することができます。普段は限られたスペースで
生活するけれど、人が集まった時にだけ大きな座卓を出してきて使えたらいいなぁ。
というお客様のご要望を一緒に形にしていきました。納品後はお子様がニッコリ笑って
ソファに座る写真をいただきました。
今年はぶんぶく堂開業15周年という節目の年でもありました。はじめた頃を振り返ると
ずいぶん作るものの雰囲気が変わってきたようにも思いますが、それはお客様のご要望が
時代によって変わってきているからだと思います。家具用の金具も毎年進化し続けていて
それを取り入れてより快適な家具づくりを目指していることが、家具の形の変化に繋がっ
ているのかもしれません。これは私自身、とてもいいことだと感じています。
そして来年はこれに加えてもう少し新たな取り組みの年になればなぁと思っています。
まずは福岡護国神社の蚤の市に初出店の予定です。詳しいお知らせはまた来年に。
今年ぶんぶく堂を新たに知ってくださったお客様、常連のお客様、百貨店
での販売に携わってくださった全ての方々に、心より感謝申し上げます。
皆様どうぞ良い年をお迎えください。
]]>
しております。
この時計が定番商品として生まれてから早6年ほどになりますが、最近ではお祝いの
場に選んでいただくことも増えてきました。写真はアサメラという材にレーザー加工を
施し、数字のみを白く塗装しています。中央下に贈られる相手の方のイニシャルが入っ
ていますが、さりげなく、でも選ばれた筆記体の文字が材料の色にぴったり合っていました。
贈り先のご家族は全員のイニシャルがT・Kさんということで。なかなか粋な計らいですね。
こちらはトチという日本の木にレーザーで文字盤の数字を掘り下げています。10の文字
だけ大きいのは、送り主とプレゼントされた方にだけ分かる意味合いがあります。
考え方次第で様々なオリジナルが生まれますね。
裏面にお祝いの文字や日付などを入れることもできますので、どうどお気軽にご相談下さい。
こちらはまた別件ですが、お盆の特注商品です。全体の大きさだけでなく、淵の立ち上がり
もできるだけ細くというご要望で制作しました。木製品は木の伸び縮みや強度を考慮しなく
てはいけないので形にも制限がありますが、うちの定番商品などをご覧いただきながらご相談
いただくことも可能です。
こちらも新築のお宅での特注品です。雨戸のないガラス窓に、台風の時にだけ掛ける
格子をご注文いただきました。下の空いた部分には長いベンチを据えられるとのこと
でした。取り外しが前提ということで、軽くて丈夫な杉の木を選んでいます。お客様は
大変この風合いを気に入ってくださり、日常から付けたままにしようかと悩んでくださっ
ていました^^
こちらは少し前に納品した吊り戸棚です。写真には写っていませんが、この下には
飛騨産業さんのサイドボードが置いてあります。上の空間を有効利用しつつ、元々
ある家具と素材を合わせてお部屋に統一感を出したいというご要望でした。
このキッチンとの対面に、テレビ台も制作しました。右側の台にはDVDデッキをのせたり
組み合わせが自由にできるよう、お客様が考えられた寸法に仕上げています。
ご注文いただいている家具を作りつつ、先週まで大丸の東館地下1階にて展示会に
出店してきました。お隣のキフルさん、ALL MY LOVINGさんとのブースはなかなか
の良い雰囲気で、期間限定の展示会だと知って戻ってきてくださるお客様もいたり
たくさんの方に新たにぶんぶく堂を知ってもらう良い機会となりました。
糸立てをご購入いただいた方からその後の様子を写した写真をいただきました。
大丸で展示会をしていることを知って、以前糸立てをご購入いただいた方からも写真を
いただきました。針刺の布の部分はご自分で作られるとのことだったのですが、大きい!笑
太い針も長い針も、たくさんの針でも、これなら間違い無いですね。
そして引き続き、、、大丸でウォールナットの深さのある小物入れを買ってくださった
お客様からもその後の写真をいただきました。ペットボトルを切って水を入れ、そこに
お花をさしてくださっているとのこと。色んな使い方があるんだな〜と嬉しくなりました。
新たなお客様との出会いはもちろんのこと、普段ぶんぶく堂の展示会に来てくださっている
常連のお客様が大丸での展示を見に来てくださったり、小〜高校時代の友人が展示会を知って
会いに来てくれたり(22年ぶりの人もいました!)。私が展示会のお知らせを直接友人に送る
ことはほとんどないのですが、SNSの力もあって新旧様々な方と出会う場所となりました。
久しぶりの友人が訪ねて来てくれるのも、昔馴染みの方が時々気にかけて見に来てくださるのも、
展示会を楽しみにしていて下さる方とそもそも知り合うのも、全ては今の仕事あってのこと。
この歳になって、ここまで続けて来て分かるしみじみした感情がありますね。あぁありがたい。
年末まであっという間に時間が過ぎていきそうですが、残り2回の月末の展示会とご注文品の
制作、頑張って参ります!まだまだ載せられていない商品のご紹介も。次回に続きます。
]]>
ぶんぶく堂は主に無垢材(丸太をスライスした板材)を使って家具を制作していますが、この度
珍しく突き板(表面に薄い無垢材を貼ったベニヤ板)を使用することとなりました。
作業台にのせると天井までそびえ立つこの物体。一体何かと言いますと、、、
とある会社から依頼を受けて制作した台座です。会長ご夫人の肖像を飾るためのものでした。
右側が従来のもの。それに近づけて制作したのが左側です。従来のものが突き板だった
ためそれに合わせたのと、これだけ広い面を伸び縮みする無垢材で作ると、時間が経つ
と割れてくる心配がありました。突き板はプレス機という圧力をかける方法で貼り付けて
行くのが基本ですが、うちにはプレス機がないため4mmという厚めの突き板を使って
無垢材を扱う時のような技法で組み立てていきました。突き板の良さは、何と言っても
軽量であること。これほど大きなものを無垢材で作るとなると(作れるとは思いますが)
納品時の運搬は恐ろしいことになったかと思います。。軽量といっても適度な重さがあり
重厚感も出る仕上がりとなったように思います。
こちらは打って変わってミニサイズ。これまたとある会社からのご依頼で、金属でできた
商品の一部に木部のパーツが組み込まれているというもの。本来ならコンピューターで
刃物を動かして加工するはずなのですが、両面の加工が不可能なのと、木が硬すぎるのとで
このままではどうにもならないということで相談に来られました。手加工でできることには
もちろん限度がありますが、長年の経験によって、今の自分の技術なら受けられるだろうと
判断して制作しました。指でつかめる部分が3mmほどしかなく、未だかつてないほど指先
だけを使う制作でしたが、なんとか50個、完成させられました。
こちらは城南区にある居酒屋さん。この度リニューアルオープンされることになり、
常連のお客様数名からの贈り物として時計のご依頼を受けました。よく見ると表面には
レーザーで文字が彫られています。裏側にも贈られた方々のお名前や日付が印字されて
います。この電波時計はうちで定番の人気商品ですが、このようにお好きな場所にお好
きな文字を彫ることが可能です。
うちからは遠くてなかなか行けそうにありませんが、置いてあるお酒も、メニューも
魅力的で、ご近所だったら私も常連になっていただろうな〜と思いながら帰ってきました。
梅雨のジメジメで体力も奪われがちですが、しばらくは大小様々な納品が続きます。
展示場の商品の充実をこの夏に進めていくつもりでいますが、制作が遅れ気味でまだ
あまり進められていません。そちらも来月には本格的に取りかかろうと思います。
]]>
びっくりするほどあっという間で、でも振り返ると実にいろんなことをしてきたなぁと
いう思いもあります。15年前と今とでは、変わらないことの方が多いかもしれませんが
一つだけ大きく変わったことは、木工がどんな仕事かという概念でしょうか。
そもそも木工という仕事は、自分一人で完結してできるというところがとても魅力的だ
と思っていました。15年前に仕事を始めた時に、県立美術館の大きな部屋を借りて展示
会をしました。ギャラリーを借りることもできましたが、展示のみで販売をしてはいけ
ないという美術館の決まりが、無理に営業できない自分にはぴったりなような気がして。
そこでじっくり見てくださった方々からは、その後4年間にも渡ってご注文をいただく
こととなりました。結婚して夫と一緒に今の仕事をするようになり、かつて祖父母が住
んでいた古民家を展示場にさせてもらってからというもの、月に2日間だけではあります
が、じっくりゆったり色んなものを見ながら楽しく過ごしてもらえる場所になればなぁ
という15年前の美術館にも似たような思いで続けています。その中で先ほどの一つだけ
大きく変わった部分というのは、ものを作ることだけが楽しいと信じていた昔と違って
今は自分が作ったものを楽しみに見にきてくださる方々とお会いできること、おしゃべり
できることが何よりの嬉しさになっているという点です。同じように木工をする人、家具
を作る人でも、販売店に卸すような仕事の方は直接お客様とはやり取りできません。
まさに、自分一人が作りさえすれば成り立つ仕事です。そこを目指して始めたつもりなの
に、手探りで進んでいるうちに、お客様との関わり無しでは成り立たない今の場所が、い
つの間にか本当に心地よいと感じるようになっていました。
数年前からは年に1〜2回百貨店にも呼んでいただいていますが、そこでもやはり似ている
のは、自分たちが作ったものに足を止めてくださる初めてお会いする方々と、商品を通して
色んなお話しができるということです。お互いが偶然そこに居合わせるというご縁から、そ
の後、遠く離れた東区の展示場まで足を運んでくださった方も何人もいらっしゃいます。
そしてこんなふうに、納品後の様子をお伝えくださる方の優しさに触れることだって
なかなかできることではありません。展示会に来てくださる方、打ち合わせでお見えに
なる方、そして納品後の様子を知らせてくださる方。ものづくりとこの環境がなければ
出会えなかったであろうたくさんの方々との関わりが、15年をあっという間だったと
言わせてくれるほどの自分の糧になっているのだなぁと思います。木工の概念は『一人
でコツコツできる楽しい仕事』から『自分たちの生み出すものに興味を持ってくださる
方々と関われる楽しい仕事』に変化してきた15年です。お世話になった全ての人に心か
ら感謝申し上げます。そして夫婦二人でどこまでやれるか、まだまだこれからも色々挑
戦していきたいと思っています。限られたペースで、他店よりも納品までお待ちいただ
くこともあるかと思いますが、ぶんぶく堂に頼んでよかったと言ってもらえることを何
よりの念頭に、16年目も頑張ってまいります。この夏は展示場の更なる充実も目指して
いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
]]>
こちらは既製品のチェリー材でできたテーブルです。あるお客様からのご依頼で、
80cm角あった天板を60cm角に、高さ54cmだったものを66cmにできないかという
ことでした。どんなテーブルでも改造できるというわけではなく、一枚の板に見えて
も表面に薄い板が貼ってあることがよくあります。中が空洞になっていることもある
ため、カットできる構造かどうかを見てみてから、お受けできるかどうかの判断をさせ
てもらっています。写真ではテーブルの縁の色が違って見えますが、カットした際に
どうしても足りない部材だけ、新たに付け足して制作しました。脚の先端はねじ込み式
で継ぎ足しています。削り出したばかりのチェリー材の色は明るく、違う材のようにも
見えますが、経年変化で飴色に変わっていく材で、数年経てば他と差がなくなるはずです。
こちらも同じお客様からのご依頼で、ミシン台の脚だけを制作しました。サイズを
ご指定いただいて、上にミシンが組み込まれた天板を置いて使われるそうです。この
ような部分的な制作の依頼を受けることもよくあります。大きさや高さがしっくり
こなくてなんとなく愛着が湧かない家具って、意外と多いのかもしれませんね。
使い勝手が上がるといいなと思います。
こちらはまた別のご注文。五月人形のガラスケースを作り直せないかというご依頼を
受けました。30年以上前に購入した息子さんへのこの五月人形を、その更に息子さん
(お孫さん)へ送ってあげたいというお話でした。天板がひび割れているのもありま
したが、住宅事情もあるのでなるべくコンパクトに、郵送もできるようにしたいという
ご希望でした。
ご相談して決めていくうちに、ガラスではなくアクリルケースがいいのではということに
なりました。郵送時にガラスが割れる心配の無いように。
こちらが人形が入った様子。元々のガラスケースの背面と床面に使われていた金色の
紙をカットして収めました。ご依頼くださったお客様は、福岡県内でこういう加工を
してくれる所をホームページでひたすら探してうちに辿り着いたとおっしゃっていま
した。先ほどのテーブルなどもそうですが、こういうことができたらいいなと思っても
なかなか相談できる場所って無いのかもしれませんね。順番にコツコツ制作するので
多少のお時間はかかりますが、お客様にかゆいところに手が届くわ、と言ってもらえる
木工百科でありたいなと思います^^
]]>
少し前に制作したハンガーラック。子供部屋に小さなお嬢様二人の洋服を掛けるのにと
ご注文いただきました。組立式なので、フレームと板をバラバラにすることができます。
持ち帰って無事組立てできました、と送っていただいた写真です^^
今はまだ小さくて可愛らしいサイズの洋服ですが、大人の洋服もしっかりかけられる
サイズで仕上げていますよ。
こちらは展示場に置いてあるハンガーラックです。左のものは数年前から定番として
出している商品。右が先々月から展示場に並んだ新商品です。
先ほどの組立式のハンガーラックは、角材を組んで作る技法でこのブログを担当して
いる妻:千草が制作しています。そしてこちらの丸台座のハンガーラックは材を回転さ
せて削る旋盤の技術を使って夫:成美が制作しております。同じ洋服をかける道具では
ありますが作る人、技法によって全く違ったものになりますね。
そしてこちらは先日の展示会で出した最新商品のハンガーラック。組立式で床は面に
しかもたくさんの洋服をかけられるもの。上記のそれぞれが作ったハンガーラックの
技術を組み合わせて制作しました。お互いに持っている技術と制作イメージを合わせ
ることで、もう一つ新たなバリエーションが生まれますね。こういう商品をもう少し
増やしていけたらいいなぁと思います。
]]>
キッチンに置く収納(食器棚)のご紹介です。もともと引き出し型の食器棚をお使い
だったこちらのお客様。家を新築で建てられた際も引き続き使ってきたけれど、ついに
引き出しが壊れたとのことで、買い替えの際には特注ができるぶんぶく堂にとお声掛け
いただきました。
お客様は中に収めたいものや全体のイメージなどもかなり明確で、私が図面を出す必要
がほとんどないくらい具体的にお話をしていただきました。聞けば、新築のこちらの家
も奥様が設計の勉強をして工務店さんと相談して作ったとのこと。ものすごく暮らしやす
そうで、生活の動線なども完璧に考えられていて、話しているだけでも刺激をたくさん
もらいました。普段フルでお仕事しながら子育てもしながら設計の勉強なんてすごっ!
なんなら建築家にもなるんじゃないかと本気で思ってしまいました。
で、話を戻します。笑 奥行きと長さを出すことで収納力を持たせて高さを抑え
作業台として使える高さにしました。手前に見えているアイランドキッチンの天板と高さ、
質感を似せ、また奥に見えている扉のオーク材と同じ素材を使うことで部屋に馴染むよう
にと進めていきました。
壁のコンセントが隠れてしまうため、手前の使いやすいところにコンセントを持ってき
ました。炊飯器やミキサーなど、お料理する際の作業台には欠かせないアイテムですね。
納品後、しばらくしてお客様から写真を送っていただきました^^
壁には同じオーク材で棚板が付いています。棚板はうちで用意しましたが、取り付けに
関しては柱の間隔を把握している工務店さんにお願いする方が間違いないため、そちらで
進めてもらいました。
家具を納めた後、生活用品が入った様子を見られることが、この上なく好きです。
使ってくださる方の色に染まることを目指して家具を作っているので、まさにそういう
瞬間を見られているような気持ちになります。
「いつも使うたびにテンション上がります!」というもったいないほどのメッセージも
写真に添えて送っていただきました。特注家具屋をやっているからこそのご縁や、見られる
景色、受けられる刺激があるなといつも思います。そういうものを大事に、そして次の制作
の糧にしていきたいなぁとつくづく思った瞬間でした。格好いいお宅に納まって、格好良く
家具も染まって、送っていただいた写真を見ながらニヤニヤする私でした。
]]>
おそろしくご無沙汰してしまいました。年末、年明けから春になって桜も咲いて、
タケノコを美味しく食べられるような時期になってしまいました。その間も元気に
様々なものを制作してお届けして、の毎日は送っています。
この5月でぶんぶく堂は15周年を迎えます。いつも納品した商品をザーッと載せて
ご紹介する方式の日記がほとんどですが、書きたいことは山ほどあって、それが増え
れば増えるほど書くための時間と集中力が必要になって、、、あぁ腰が重い。と。
なのでこの15周年の春を機に、書きたいことを少しずつ、こまめに載せていこうと
決意いたしました。今日はその第一弾ということで。
ひとつずつ、ということでこの季節にちなんで鯉のぼりを。卓上の小さなものは以前
から制作していましたが、箱に仕舞えて、それが台にもなって、全体の高さが40cm
ほどになるものを、というご要望を去年からいただいていました。せっかくなので大きさ
も形態も変えたものを時間をかけて考えてみる機会にしました。木目が魚の鱗のように
見えるなぁと家具を制作していた時にふと思いつき、目を付けただけで鯉のぼりに見える
シルエットや大きさを煮詰めました。支柱は木の棒で作ることもできますが、高さや重さを
支えるためにはある程度の太さが必要になるので、今回は細く、丈夫な金属を選びました。
木目を活かすという言葉はよく使いますが、こういう活かし方も楽しいなぁと思う商品でした。
ちなみに子供の鯉のぼりが二匹付いているのですが、打ち合わせをしている段階で送った写真
をみたこのご家庭のお姉ちゃんが、出来上がるのをとても楽しみに待っていてくれたそうです。
弟のものだとわかって号泣してくれたという話を聞いて、子供鯉は二匹になりました^^
家族みんなで、愛着を持って見られるものになってくれるといいなぁと思います。
次は、この更新されていなかった時期の家具を去年の分からご紹介していきます!すぐに。笑
そして今週末は月末2日間の展示会です。ゴールデンウィークの初日でもありますね。
新緑の季節。庭の木々、草花も緑鮮やかに迎えてくれます。どうぞ遊びにお越しください。
]]>
方々への図面を描きに描いた数日間でした。身体を使う日々の仕事よりぐったりする
自分は、つくづく机上だけの仕事に向いていないことを実感します。ものづくりと一体だ
からこそできているのだなと思います。
前回の日記に書ききれなかったことを載せたいと思います。こちらは、先々月、7月に
オープンした美容室をペイントする様子。ニューヨークに行っていた従兄弟が8年振りに
帰国し、この度福岡(薬院)で美容室をオープンしました。生まれや育ちは東京ですが
ここ福岡は祖父母がいてよく遊びに来ていた場所です。数々の経験をしてきた彼が、新
たな出発点としてここ福岡を選んでくれたというのがなんだか誇らしく、嬉しく、私も応援
しよう!ということで、、、まずは壁塗りのお手伝い。
西区にあるインテリアのプロ、KifuLさんにペイントサポートをお願いしました。黄色い
ドア、私も気合い入れて塗りましたよ^^ 元々を思い出せないほど雰囲気がガラッと
変わってとてもいい感じになりました。色って本当に大事。
入口のカウンターは、既製の金属のフレームにクリの木を合わせました。
鏡と台もカウンターと同じ素材で制作しました。こんなふうに作ったら依頼主の好みに
寄り添えるかな、と考える行程はとても楽しい時間だと感じます。私の幅も広がります。
そしてオープンして数日後に行ってまいりました、美容室 KIKORA。
私がfacebookに載せていたことで、ぶんぶく堂のお客様も何人かが早速行ってくださっ
たよう。本当にありがたいことです。東京で約8年、ニューヨークでも8年の経験を
積んでいることは知っていても、一度も実際に仕事をしている姿は見たことはありません
でした。本当は家具を納品したお店の様子をここに載せるだけのつもりだったのですが。。。
私が感じたことを少し言葉にしてみたくなりました。
くせ毛で梅雨の間はとにかく短くすることしかできなかった私の頭。従兄弟は椅子に座
った私の髪の流れを見ると、シャンプーする前にまず切ろうと言いました。その人の髪質
にもよるのだと思いますが、髪の毛のクセや流れも含めて、ヘアスタイルを作る感じです。
霧吹きで濡らすこともなく、完全に乾いた状態でカットしてもらいましたが、その後シャン
プーすると濡らしても切り揃っているから驚きです。
美容室でしてもらうように毎日自分でクセを伸ばすことはできないので、今まではカット
してもらったその日だけで、その時と同じヘアスタイルはできないというのが長年の悩み
でもありました。でも、梅雨の湿気で毎年恐ろしいことになっていた頭が、ワックスを付け
なくても自然な流れに沿ってふんわりパーマのように勝手に整うという。
久しぶりに会った友人や、お客様からも何人も「パーマかけた?」とか「イメチェンしましたね。」
という今まで生まれてこの方、言われたことのないお言葉をいくつももらいました。
パーマかけた風にワックスつけても、絶対に言われたことのない言葉を、何も付けずに。笑
こんなことあるんだ!と感心したのと同時に、自分の仕事にも通じる物を感じました。
ぶんぶく堂のコンセプトは、日常に小さな感動やわくわくした気持ちを木を通じてお届け
するということ。こんなものだ、当たり前だ思っていたものにときめく何かがプラスされると
日常は大きく変わります。くせ毛だからこんなものだと諦めていた髪質をむしろ好きになれる
髪型を作ってもらったということは、まさに日常の中の小さくて大きな感動です。鏡の前に座って
何が悩みなのか、何が似合うのかを色々聞いて考えてくれる姿は、家具を制作するときの打ち
合わせのそのものようにも感じました。ものを通じてそういうことを目指している自分が、まさか
髪のカットでそんな気持ちになる日が来るなんて。くせに悩む人だけではなく、その人だからこう
しようという感覚や、髪を扱う丁寧な指先は、今まで自分が経験したことのないものだと思いまし
た。身内のことなので宣伝のように聞こえるかもしれませんね。みんなが私と同じ気持ちになるとも
思いません。ただ、この日記に興味を持って読んで下さる方ならば、こんなこともあるのだなぁとい
う私が面白く感じた世界にも興味を持っていただけるかも、と思いちょっとご紹介しました。
そうして始まりました、9月。今年の残り4ヶ月は月末の展示会以外にもイベントに出店予定が
たくさんです!新商品の開発に、年末までに納品予定のご注文品の制作。さぁ、気合い入れて
頑張るぞ〜。
]]>日記の更新が滞っている間に、あっという間に2ヶ月半も経ってしまいました。
梅雨も終わって毎日とろけそうな暑さですが、色んなものを制作しております。
こちらは新作の子供椅子です。ぶんぶく堂の定番の子供椅子をご覧になられた方から
昨年ご依頼を受けて、子供が一人で座れるようになるのはまだ先だから、とある程度の
時間をいただいて開発しました。
こちらが定番の子供椅子です。肘掛けがないので、お尻が大きくなった大人でも座れ ま
す! ただ、今回のご依頼のように子供がテーブルに付いたときに横に落ちることが ない
よう、肘掛けがあるのも良いですね。長らくお待たせいたしましたが、とても気に入 ってもら
うことができました。またひとつ、ぶんぶく堂の定番が増えました。
こちらは猫脚テーブルを納品したときの写真です。 ぶんぶく堂の家具はほとんどが
直線で出来ているのですが、うちの展示場をご覧になられた上で、こういうことも でき
ますか?というご要望をいただきました。普段自分の中から湧き出る形では ないけれ
ど綺麗な曲線を求めるというのは、久しぶりの美大時代の課題のようで 私も楽しんで
制作することができました。応接室のサイドテーブルとして良い味を 出していってくれ
るといいなと思います。
こちらは100年近く前のものと思われる化粧台です。お婆さんの嫁入りから、娘、孫と
形見のように受け継がれてきたものだそうですが、木の虫食いや汚れがひどく、毎日
使えるように綺麗にしてほしいというご要望でした。
虫食いの穴がありました。
折れかかった取っ手と、拭いただけでは落ちない汚れ。でも100年の年季だと思うと
とっても綺麗に使われているなぁと思いました。
指がかからず、奥に入り過ぎて引き出せない薄い引き出し。
蝶番を留めている釘が外せない状況だったため、今回は鏡を取り外さずにできる範囲
内で修復するということに。
で、綺麗になったのがこちら。正面に付いていたプラスチックの仮のつまみは真鍮に。
虫食いの穴はパテで埋めて、色を合わせました。
折れていた取っ手は全部取り替えました。以前付いていたものとサイズが合うものを
探して金物屋さんから取り寄せました。
引き出しの隅々まで綺麗にクリーニング。ワックスもかけて、木の艶も蘇りました。
奥に入り過ぎて取り出せなかった薄い引き出しも、ほんの少し手前で止まるようにした
のでこれからはしっかり活用できると思います^^
今回、個人的に気に入っているのはこの真鍮のつまみ。直径10ミリほどのものですが
市販のつまみほとんどが、直径が細くても20ミリ近い奥行きがあるのですが、これは
奥行き12ミリ。小さなものに取り付けても主張し過ぎず素敵です。もともとあるものの
良さを、こういうもので更に引き出せたら修理する側としても嬉しい限りです。金物が
いかに大事か、木工をしていると本当によく思い知らされます。
こちらは変わってオーク材のダイニングテーブル。小さなお子さんが二人いらっしゃる
ご家庭で、今後引っ越すこともあるかもしれないということで、どんな場所で使っても
大き過ぎず小さ過ぎないサイズを打ち合わせて制作しました。今までは正方形のテー
ブルだった為、この大きさに変わって食卓を囲めるようになったことを本当に喜んで
下さいました^^
こちらは昨年から少しずつ制作依頼を受けている木の箱。フタがスライドして開きます。
中にものを入れても重ねられる強度に仕上げています。国産材がいいというご希望で
奥左からカバザクラ、右がクリ、手前の赤いものがクスの木。全く同じものを作ると、木
目の違いや重さの違いがよく分かって面白いものです。
そんなこんなで現在は↑このゴルフ場の巨大ディスプレイをひたすら進めています。
糸島にある芥屋ゴルフ倶楽部さんからのご依頼で昨年制作したものがこちら。これと
同じものをただ今制作中です。KBCオーガスタという大会にはここに昨年の優勝者の
ゴルフ道具一式が並びます。
そうして明日から2日間、ぶんぶく堂は月末の展示会です。関東の方から台風が来ると
いう前代未聞の週末になりそうですが、ひどくないことを願って。冷たい飲み物をご用意
してお待ちしております^^
長い間滞っていた日記の更新です。納品した商品をご紹介します。
こちらは表に絵本を飾れる扉が付いた、絵本棚です。早速絵本を並べてくれました。
同じお宅の2階には扉の無い本棚を納品しました。中の棚板は可動式になっています。
こちらは高さの違う2脚の椅子を納品しました。ひとつはリビングで、もうひとつは
玄関先で靴を履く時に使われるそうです。お客様が考えられた、奥行きが少ない
椅子(写真上段)の座り心地が大変よく、作っていながら驚きました。
椅子の用途に合わせて座面の奥行きはある程度決められていて(と大学で学んで)
それを疑ったことなどなかったのですが、奥行きが少ないと自然に背筋がピンと伸び
低めの背中の当たりがとても心地よく感じました。
ぶんぶく堂はこの5月で15年目に突入します。まだまだ、椅子の奥行きひとつでも
座り心地にも様々な快適さがあるのだな、と発見のある特注家具の世界。
奥が深くて楽しいものです。
こちらは和服を陳列して見せるためのハンガーラックになります。一部納品したもの
の、現在進行中の案件で、5月末には一式をまたお披露目できるはずです。
普段の家具作りはお客様のお部屋の中に自然と馴染むものになることを心がけます
が、商品などを引き立てる為の道具を作る、という意識でのものづくりはまた違った
面白さがあります。和服に合いそうな素材ということで、栗の木を選びました。
そして最後はこちら。一人掛けのソファです。ぶんぶく堂の展示場に普段置いてある
のは三人掛けのソファなのですが、それをご覧になられた方から一人用はできないか
というご要望で制作しました。先程書いたような椅子の奥行きを変えることもそうですが
こちらのソファも、長さはもちろん、奥行きや座面の高さ、横幅などを自由に変えること
ができます。この度一人掛け用の参考商品も展示場に並びましたので、展示会に来ら
れることがあれば是非座り心地もお試しください^^
というわけで、ぶんぶく堂15年目も張り切ってまいります。
]]>2004年から約14年間使ってきたロゴを、この度新しくすることにしました。
それに伴い、パンフレットや包装紙、ホームページなども一新します。
3月14日(水)〜20日(火)まで、天神大丸の本館1階(アンテナプラス)にて行なわ
れる展示会に出店します。そこがこの新たなロゴのスタートの場となります。
ブランディングして下さったデザイナーさんのことなど、書きたいことは山々ですが
ひとまず今回は展示会のお知らせです。新しい商品も登場します!
ぶんぶく堂の定番商品である『手ぬぐい掛け』に合わせて、オリジナルの手ぬぐいも
制作してもらいました^^
皆様、どうぞ遊びにいらしてください。
]]>明けましておめでとうございます。今年もどうぞこのホームページにお付き合い下さい。
納品の色々、ご紹介します。
こちらは昨年秋に納品したオークのベンチ型収納です。窓面の多いお部屋で、たくさんの
本を収納したいけれど、本棚を置くと部屋が暗くなってしまうということがお悩みでした。
座面の裏には鉄板の反り止めが入っていますので、幅広い板も反りの心配なく座面に
できました。大きくて重さもありますが、床面に接する部分はフェルトが貼ってあるため
女性1人でも押せばすっと動かすことができます。
こちらはチェリー材のダイニングテーブルです。お客さまのご要望で天板は出来る限り
厚めに、脚も定番商品より太目に制作しました。しっかりと存在感がありながらも、重々
しさがなくすっきりとした印象で、チェリー材にとても合った形をお客様が選ばれたなぁ
と思いました^^
こちらは40年近く前に買われたという子供椅子です。座面が割れて、背もたれの棒も
折れていました。修理のご依頼で、お持込みいただきました。
座面を元に戻し、折れた棒も接着し直しました。とっても手の込んだ、素晴らしい椅子
でした。この時代のこの手の椅子、直すことが出来なければ、処分される事も結構ある
のではないかと思います。作り手からするとそれはそれはもったいないこと。再びご家族
の元で愛着を持って使われるといいなぁと思います。
そのままでも素敵な色合いでしたが、せっかくなので塗り替えも頼みたいとおっしゃって
いただきました。
選ばれたのは、マットなパステル調の黄色。塗りはうちは専門ではないのでプロの方に
お願いしました。黄色はありそうでなかなかない家具の色だと思います。
昔の職人さんが作った椅子の技術を見る事ができ、普段は使わない塗料や新鮮な色を
感じる事ができました。こういうことを自分の引き出しに入れて大事にしていくことで、仕事
の幅が広がっていく気がします。
こちらは昨年最後の展示会(12月半ば)に出したクリスマス限定の新商品です。右は木の
部分がネジになっていて、回すとオルゴールが鳴り出します。左のスノーマンは箱の裏に
ネジが付いています。どちらもクリスマスソングのオルゴールです。
ぶんぶく堂に朝一番に、しかも初めて来られた親子のお客様が、これを手に取って選んで
下さった時にはあぁ作ってよかった[E:crying] と思いました。こういう季節の限定商品、クリスマス
だけでなく他にも制作していけたらいいなと思っています。
こちらはウォールナットの食器棚です。元々向かって右と上に作り付けの本棚がある場所
でした。縦横の限られた空間にすっぽりと収まるよう採寸して制作しました。
ガラスはドットが並んだ模様になっています。中に入っている物はみえますが、ぼんやりと
いい具合にぼやけてくれて、食器棚自体が主張しません。お客様のご希望でこのガラスを
選ばれましたが、こういう選択肢もいいなぁと私も大変勉強になりました。
そして昨年の年末最後に納品したのは畳型ソファとオットマン。これもお客様のご要望で
クッションはあってもなくても使える背もたれであること、肘掛けは飲み物が置ける広い幅
であること、等々。座面に角度を付けず、クッションを枕に寝転んで使えることも重要視し
ました。通常より大きいため、中央に支えの脚がもう一本入っています。
写真には写っていませんが、数年前からテレビ台や茶箪笥など、同じ素材で制作のご依
頼を受けてきました。リビングの家具の色味が揃って、空間に広がりを感じる瞬間でした。
というわけで、2017年、実に様々な小物や家具を制作し、たくさんのお客様との出会いが
ありました。遥々展示場にお越し下さった方々、商品の出来上がりをお待ちいただいて
いるお客様、心より感謝申し上げます。
今年もひとつひとつ仕上げて参ります。春には大丸での出店も予定していますので、それ
に合わせた新作も展開していきます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
]]>去年に引き続き、今年も出店させてもらうことになりました 『山手のマルシェ』。
ほぼ準備も整い、明後日の25日からスタートです。
ぶんぶく堂の展示場に普段あるもの以外の新商品もお持ちします。
美味しいパンのお店も、昨年より更に出店数が増えているとのこと、楽しみですね^^
ぶんぶく堂の月末の展示会は、この大丸でのイベントと重なるため今月はお休みに
なります。どうぞよろしくお願いいたします。
広がるのを耳にすると、すっかり秋の気分になります。作業もはかどります。
久しぶりの更新です。写真はソファーに合わせて制作した低めのダイニングテーブル。
中心にあるフタを外すと、IHコンロを収納することができます。角を大きく丸く取った形
が特徴的で、白を基調とした明るいお部屋がぐっと締まって見えました。このソファ、
ダイニングの椅子に近い高さがあるものの、座るとフカフカで沈むのでなかなかそれに
合うテーブルを見つけられなかったのだそう。今まで食事の時は別のダイニングを使わ
れていましたが、やっとここで集まって食事もできると喜んでいただけました。
こちらはお盆明けに納品した芥屋ゴルフ倶楽部の玄関用のディスプレイ。今年の始め
から少しずつ打ち合わせを進めていたものが、ようやく納品までこぎ着けました。
大きいので二度に分けて納品したうちのこれが第一弾。
そしてこれが全部収まった状態。石川遼選手のバッグにクラブ、サインやユニフォーム等。
ガラスやLEDを組み込む作業など、異素材も扱うとあって慎重に進めました。
そもそも、アメリカのゴルフ場では無垢材でできたディスプレイを見かけることはよくある
そうなのですが、日本のゴルフ場は建物に作り付けであることがほとんどらしいのです。
こちらのゴルフ場でも既存のものでは窮屈になってきているのと、玄関のスペースをうまく
利用できないかというご要望でした。キャスター付きで動かすこともできて、模様替えも
可能です。無垢材で家具を作ることや、移動式であることなど、数十年前に建物ができた
ときにはなかった考えかもしれません。時代に合わせて家具も変わっているのだなと実感
しました。
こちらは20年来お使いのダイニングセットに合わせて、ベンチをご注文いただきました。
うちで取り扱う中では経年変化が最も大きいチェリー材を使用しました。数年でほとんど
違いがなくなるくらい濃い飴色に変化していきます。
こちらは数年前にご注文いただいたチェリー材の食器棚です。ご家族が増えて、収納を
もう少し増やしたいとのご要望で間に引き出しを足しました。引き出しを制作したのは
もう数ヶ月前で すが、チェリーの経年変化ということで思い出してご紹介。先程のダイニ
ングとベンチのように、こちらも数年で真ん中が濃い飴色に変化していくことと思います。
無垢材だからこそ、着色をしていないからこその経年変化ですね。
こちらはヒノキで作った木箱です。私と同じ美大出身のお嬢様の卒業制作を仕舞って
おくための箱を、その方のお母様からのご依頼で制作しました。普段は押し入れに四段
ほど重ねて置けて、中身(ガラスのオブジェ)をこの箱の上に飾ることもできるといいなぁ
というご要望でした。飾ったものが引き立つよういかにシンプルに、それでいて重さに
耐え得る強度。こういうのを考える時が一番好きな時間かもしれません^^
親子で展示会に引き取りに来て下さり、これに重ねて行く次の箱の素材を選んでもらい
ました。様々な材種で重なっていくのを想像すると、作る前からわくわくしてしまいます。
先月末の展示会では、新作の時計も制作しました。左はカリン、右はノグルミの木です。
こんなに特殊な木目は滅多に出ないので、まさに一点物です。
と、こんな感じでこの3ヶ月弱はほぼノンストップで制作漬けでした。展示会にもたくさん
の方にお越しいただき、来年以降のご注文も増えてきています。夫婦二人での制作に
なるため長い目でお待ちいただくことになるにも関わらず、ゆっくり、楽しみに待ってます
と言って下さるお客様ばかりで、こんなに嬉しく、ありがたいことはありません。
最近、卵焼きを作っているときにふと思ったこと。いつもお砂糖と、薄口醤油を少し入れる
のですが、この『少し』がとても難しくて、いつもドボッと入ってしまうのです。が、あるとき
自分は入り過ぎないように、止めようとしながら入れているのだと気づきました。それで
止めることは頭から離して、入れたい量だけ『入れる』ことに集中すると上手くいくのです。
これって、学生時代になかなか上達しないスキーの滑り方のコツを先輩に聞いた時、私
が止まることを念頭に滑っているから上手になれないと言われたのを思い出しました。
止まることを考えずにスピードに乗ってみな、と言われた瞬間から嘘のように上達して
いったのを思い出します。これと卵焼きは同じだと。そして、生活そのものもそうなんじゃ
ないかと思います。休むことやセーブすることを念頭に受け身がちに仕事をすると、何か
を忘れてしまったり、思うように進まないことがあるのですが、一歩先に先に進む姿勢で
仕事をすると、それが少なくなります。忙しくてやることが多くなればなるほど、この卵焼き
の法則が自分に合っているのだと見出した2017年の夏、でした。
10月の末には外でのイベントにも呼んでいただいています。ぶんぶく堂での9月末の展
示会やそのイベントに新作を引っさげて出られるよう、この気候のいい時期にどんどん
進んでいかねばです。
]]>しまいます。今年は空梅雨かも、なんて天気予報は全くの外れで、福岡は思いっきり雨降
りの毎日です。この大雨の災害で避難している方々も、雨が止まなければ復旧作業も進
まないはず。本来なら木々や草花や田畑にとって恵の雨となるはずが、たった数時間で山
が壊れてしまうほど降るなんて。毎年雨で土砂崩れのニュースを聞く度に、杉林ばかりで
なく、もっと土に根を張る広葉樹の雑木林が増えないものかな、そしてそれをうまく国内で
流通させられたら、日本の桜やクルミやナラで家具や建物を作ることもできるのに。と思い
ます。そんな単純な話ではないことはもちろんなのですが、人の命に関わるこの山の問題
ばかりは、本当にどうにかならないものでしょうか。。。
話は変わって、こちらは先月納品したキッチンラックです。天板、中央、下段は固定されて
いますが、その間の棚は可動式です。写真には写っていませんが、ここにカゴをいくつも
並べて、その中に分類してものを置いていくそうです。いいな〜。木とカゴ、相性間違いな
いだけにその後が気になります[E:shine]
そしてこちらは6月最後の日曜日に、西日本新聞の日曜版に載せていただいた記事。
常連のお客様から記事を見たよと久しぶりにご連絡をいただいたり、初めてぶんぶく堂
のことを知って下さった方からお問い合わせをいただいたりしました。自分がこの道を目
指したきっかけや、屋号に込めた思いなど、丁寧に記事にしてもらったのを読み返すと
取材でしゃべっていたときよりもずっと初心に返ることができました。せっかくいただいた
この機会を大切に、展示会に来て下さった方がわくわくできる場所であるように、今月末も
頑張ります。
展示会のことも考えつつ、現在同時進行しているのはゴルフ場に依頼していただいている
大型のディスプレイ。狭い工房内は現在その部材だらけです。今回は、ガラスを多用する
こともあり、重さを意識する部分も多くあります。電気屋さんにお願いしてLEDの照明も準
備できました。鍵を付けたり、キャスターを付けたり 『木』 だけに意識を持っていけば良い
状態ではないので、脳みそもフル稼働です。
いつまで続くのやら、このしっとりの毎日。スカッと青空に入道雲が浮かぶ日を待ちながら
日々、制作です。
]]>振り返りつつ、日々の出来事を思い出していこうと思います。
大丸の展示会では、本当にたくさんの方に商品を手に取っていただきました。引っ越して
もう何年も気に入った時計が見つからないのでそのままにしていたという方が電波時計を
買って下さったり、4月の頭には、退職や移動される方へのプレゼントを探していたという
方が商品を色々選んでくださったり。小さく写っているのは子供も大人も座れる小椅子なの
ですが、お母様へのプレゼントにと選んでいただいた方もいました。もうとにかく、初めてお
会いする方と、その瞬間瞬間でお話するという経験は昨年のパン展のときに次いでほぼ
二回目。脳ミソがビリビリと今までにない刺激を受けているのが分かります。笑
でもドキドキしながらも楽しい、本当に良い経験をさせてもらいました。
そしてこれは、手ぬぐい掛けを買って下さったお客様がその後送って下さった写真。
もー素敵すぎ。わざわざこの手ぬぐい掛けに合いそうな手ぬぐいを京都に住むお友達に
頼んで送ってもらったそうです。嬉しいですね、こういう納品のその後、いつも言っている気
がしますが、生活に溶け込んだ姿を見るのがこの上なく好きなのです。
ありがとうございます。
そこから竹の子が採れる時期になり、、、
庭の草をむしりながら、忘れな草を見つけて写真を撮ったりしていました。(早よ載せろー。)
そうして先月末にはチェリーで制作した飾り棚を納品。
後日伺うと、綺麗にディスプレイされていました。嬉しい〜。これを見るのが好きなのです^^
更にゴールデンウィークには座卓をお届けに上がりました。オーク材で丸脚のテーブル
です。小さなお子様がいらっしゃるご家庭なので、天板の角は丸く、脚も丸脚で、というご
注文でした。あまり丸さを取り入れ過ぎると、子供用の家具のような印象になりがちですが
お子様が大きくなってから改めて見てもやっぱり好きだな、と思ってもらえるよう、愛着を
持って長年お使いいただけるような形を目指しました。
そして先週は、大丸の展示会でご一緒したKifulさんへ帽子スタンドの納品に。5月23日
まで、素敵な帽子の展示販売をされています。
と、駆け足でここ2ヶ月の動きを振り返りました。そして昨日は大川へ材木の買い出しに。
今月からかなり大掛かりな仕事が始まります。その準備のための材料の調達でした。
大川へ行く途中には佐賀県を通るのですが、佐賀は小麦、大麦作りが盛んです。この時期
黄金色に輝く麦畑を見るのが大好きで、昨日は刈入れ前の本当にいい時期でした。
この春でぶんぶく堂は丸13年。14年前、大川で修行していた頃に綺麗だな〜と思って見て
いた風景は、今も変わらず健在です。私の心も変わってないことを確認。ぶんぶく堂開業
の季節はちょうど自分の誕生日でもあり、お祝いの言葉をいただいたり家族に祝ってもらっ
たりしている、今の恵まれた環境の中で、いつも初心を思い出します。
14年目のぶんぶく堂、どうぞよろしくお願いいたします。
]]>日があっても、この言葉のお陰で私は騙されずに生きてきました。先日もコートを仕舞お
うか否かで悩んで「お彼岸までは。。」と出しておいて正解。異常気象や温暖化が取りざた
されていますが、ここだけは変わらない。昔の日本人はすごい。そんなお彼岸の本当に
暖かな連休中、今日もがっつりお仕事です。
日記が随分と滞っていましたが、こちらは今年に入って最初に納品した家具。タモという
明るめの材を使用した、リビングに置く本棚です。最上段は深めの引き出し、中断はオー
プンの棚、下段には扉を設けて中が見えないように、というお客様のご要望に沿って制作
しました。写真には写っていませんが、この家具の上部の壁には無印の壁掛けの小棚が
あり、同じ素材なのでいい具合に統一感も出ました。
そしてこちらはウォールナットで制作したテレビ台。通常の物より背が高く、DVDデッキ
のリモコン操作のための赤外線を通すガラス窓もありません。普段からAV機器をほと
んど使う事がないそうで、中に本やファイル等も収納できるようスペースを重視しました。
そのご家庭で何をどこに置くことが重要か、そしてそれが見えている方がよいのかどうか
特注家具の打ち合わせでは自然とそういう話になっていくことがあります。これも、先程の
タモの本棚も、まさにそのタイプでした。
こちらが設置した状態です。昨年頼んでいただいた本棚(左)が少し茶色味を帯びて馴染
んでいました。右に置かれたテレビ台も、数ヶ月すると同じ色艶になっていきます。毎日
目にしているとなかなか分かりませんが、木は種類によって色が濃くなったり、明るくなっ
たりします。板が反ったり伸び縮みしたりするのと同様に、生き物だなぁと実感する部分で
もあります。
そしてこちらが最近納品したチェリーのダイニングテーブルです。天板にうっすら見えて
いるフタは、、、
中にIHの電気コンロが収納されているのでした。外したフタは天板の下に収納する場所
があり、代わりにそこから取り出した板をIHの下に敷くと、、、
天板とフラットになります。こういう仕組みを考える時間は本当に楽しいものです[E:flair]
全国に木工屋さんはたくさんありますが、お客様のアイデアを形にする際の『ひらめき』や
制作する際の『工夫』を大事にすることがぶんぶく堂らしさの一つだろうといつも思います。
もちろんそれだけが全面に出てこないよう、見た目も大切に。
それからこんなご注文も。写真では分かりにくいですが、4枚それぞれ違う材種で制作し
てほしいというご要望でした。ご家族4人でランチョンマットのようにして使われるそうです。
材はウォールナット、チェリー、ケヤキ、センの4種類を使用しました。ケヤキとセンは手元
にあった少ない材から選びました。このような普段定番にしていない材は、展示場でご注
文を受けることができないため、こういう一点ものの時にだけ出番が廻ってくることがあり
ます。IHをテーブルに組み込むアイデアもそうですが、一枚ずつバラバラの素材という
のもとても面白いなと思いました。こういう刺激を、いつもお客様からもらっているのです。
冒頭にも書きましたが、この連休中の仕事というのは、月末に天神の大丸で行なわれる
イベントに参加するための準備でもあります。 ↓ 何やらコソコソ新作も制作中。
イベントは天神大丸一階にて、3月29日(水)〜4月4日(火)までの一週間です。
誘って下さったのは熊本のピンクインディアさん。 http://pink-india.shop-pro.jp/
もうひと方、西区今宿にお店があるキフルさん。 http://www.kiful.com/
昨年秋に大丸8階にて行なわれた山手のマルシェで知り合ったお二方です。こういう繋が
りも、楽しいものですね^^
私の人生に於いて、最も縁遠いデパートの一階(化粧品とブランド品)に紛れて催し場に
出没します。春の陽気の良い中、皆様どうぞ遊びにお越し下さいませ。
]]>日記とお相手していただければ嬉しい限りです。どうぞよろしくお願いいたします。
昨年はギリギリまで制作したこともあって、今年は見積りや図面描きなどの事務仕事
からスタートしました。同時にずっと気になっていた実家の自分の荷物の片付けも。
(確か)中学1年生の時に技術の授業で作った本棚が出てきました。大学で家を出る
までずっと使っていた記憶があります。授業では真ん中に仕切りを1つ付けるだけの
はずでしたが、楽しくなった私は先生に許可を得て端材をもらって引き出しを作りました。
全然格好いいとは言えるものではありませんが、木工が好きな気持ちだけは今から思
えばこのとき既に形成されていたのかもしれません。好きなことってそうそう変わらない
ものなんですね^^
『今はもう使わないけれど、大事で捨てられないもの』 そういうものを実家にたくさん
置かせてもらっていましたが、それらは写真に撮って思い出にして、場所を取る実物は
処分しよう。そう思えるようになってきました。これもそのひとつ。これを見てその時の
気持ちを少し思い出しただけでも、とても意義のある片付けでした。
さて、ぶんぶく堂は明日から月末の展示会です。昨年最後の展示会で出した新作の
丸型ダイニングテーブル。昨年、特注で金物を制作してくれる方との出会いがあって
今まで実現できなかったこの形を作れるようになりました。
話は変わって、昨年は県外からも上記の小物のお問い合わせを色々いただく機会が
ありました。ホームページ上で購入できるシステムではないので、わざわざメールにて
お問い合わせいただいたのですが、直接お会いできない、商品を見られない環境で
ご購入を決断する勇気とご期待には、是非とも応えなければという思いに駆られます。
行く行くはネット上でもう少し気軽に商品を買えるようにしたいなと思いつつ、まずは
今年、こういったオリジナルの小物を中心に、地道に商品開発を進めていく年にしたい
なと考えています。
そんなことを考えながら過ごした年末年始にふと思ったことなのですが、この木工の
世界は普段の生活に例えられることが色々あるな、ということです。
例えば料理。はじめた頃は、本を見ながら分量通りに作っては「美味しい」「不味い」
を繰り返して、段々と自分の好きな味を覚えて行きます。今ではネットでレシピを見る事
があっても、分量は自分で好きなようにするし、逆に冷蔵庫にあるものだけでいかに美
味しいものを作れるか、に燃えます。基本を覚えれば、よその家庭にはないオリジナル
の味を作り出すことができます。それが料理の楽しさだと感じます。
洋服も同じ。どんなに好きな形や色で選んでも、似合うかどうかは別物。またそれを着る
為には薄着しなければならず寒い思いをしたり、好きな色なのに自分の肌には似合わ
ない色を知ったり。そうしながら今の自分は『肌触り』『着心地』『色』では妥協しないことが
長く着るコツだとやっとわかるのです。形が気に入って手に取ることは大前提で、そこに
他の価値が加わることで、長く愛せるものになると思うのです。
木工はまさにそれらと同じで、学生の頃はものを作るということがどういうことか分から
ずに、料理本を見るように色んなものを見ながら真似して、違和感を覚えながら自分の
『好き』を知っていきました。洋服でいう肌触りのように、自分は木を扱う上で、どういう
ところで形以外の価値を持ってくるのか、それがようやくはっきりと見え始めたような
気がしています。
料理する前に、その調味料を組み合わせたらどんな味になるのか。それを想像できる
ようになった感じと似ています。そういう思いの中にいると、段々と生活をシンプルに
したいという思いにもなります。それが片付けにもつながったのかなぁ、、なんて。
とにかく今の私の頭の中には作ったらぜったい美味しい!と思える木工品の数々で満た
されています。(もちろん私個人の好みに過ぎませんが。)
それを時間を縫って開発していく年、そんな2017年にしていきたいなという思いです。
出来上がったものは順次展示場に並びます。是非、遊びにいらして下さい^^
]]>日付が変わる前に、駆け足で年末までの様子をご紹介します。
展示場をリニューアルしました。白を基調に商品をより見やすく。
家具や器、小物を見ていただけるワクワクする展示場を目指して。
展示場入り口にはスリッパ立て。特注でサイズを変えることができます。
そしてここからは納品の様子を。こちらはケヤキの本棚。11月に納品した本体に、、、
年末に中が収まりました。スライド式にすることで、高さを出さずに収納量をしっかり取る
ことができました。
同じお宅の違う場所にも本棚。
玄関には飾り棚も。普段のぶんぶく堂とは少し違うテイストですが、指定されたケヤキ材
を使って欲しいとのことで、私も大変やりがいのある制作となりました。
こちらは神棚を置く為の吊り棚。天井には雲を象ったイラストをレーザーで掘り込み
ました。
同じお宅のこちらはスピーカーの上を有効利用しつつ、飾り棚と電話台の役割を果たす
収納。横にちらっと写っているテレビ台も数年前に納めたものですが、どちらもお客様の
描かれた図面を元にサイズや細部を決めていきました。
そしてこちらも年末に納めたソファーとオットマン。写真には写っていませんが、背もたれ
のクッションを外すと幅の広い一枚の板が背中を支える構造になっています。肘置きは
飲みものなどを置けるように、定番のモデルよりも4cm幅を広げた15cm。どちらもお客様
のご要望から形を決めていきました。大手のメーカーさんを色々見られたそうですが、
座面の高さや肘置きの広さ、背中の形など、オーダーできたのが良かったと言っていた
だきました。なんとも嬉しいお言葉でした。
というわけで駆け足のご紹介でしたが、今年も無事一年を終えることができました。
たくさんのお客さまに支えられて木工百科な日々を送れたことに、心から感謝いたします。
2017年もどうぞよろしくお願いいたします。
]]>庭の木々が色づいてきました。今日の福岡は半袖でも過ごせるほどの温かさでした。
この紅葉あと数日持ってくれるかな〜。月末の展示会まであと6日です。
前回の日記でわらわらと写っていた部材が組み上がり、無事に納品できました。
こちらを納めたお宅は、約3年がかりで様々な家具を納品してきました。ひとまず
これで一段落。春にこの棚いっぱいに飾って、お披露目会をされるそうなので
今まで納めた家具達のその後もしっかり見てこようと思います。
そしてこれが10月26日〜31日に行なわれた大丸での『山手のマルシェ』の様子。
「たまには作者が写っているのもよかろうもん」と、父が撮ってくれたので記念に。
よくよく考えたら、過去に自分が写った写真を載せたことがあったかな。ないな。
このイベントには昨年もお声掛けいただいたのですが、準備できる小物が全然無く
断念したのでした。そんな中、今年も誘っていただき、今回はある程度のものが
揃っていたので出店させてもらうことにしました。といっても慣れないことを目の前に
搬入前の数日間は3〜4時間睡眠。制作とイベントにワクワクする気持ちからかお腹
も減らず、眠くもならず、自分がちょっと恐いなと思いました。
高校時代に剣道の試合中、足の裏のマメが破れても痛さに気づかないでがんばる
あの感じを思い出しました。人の脳ってどうなっているのでしょう。
でも実際このマルシェでは、本当に充実した時間を過ごせました。普段引きこもって
制作していることがほとんどですが、他のブースで出店されている作家さんと出会い
お話する機会ひとつ、対面してお客様と話すことひとつ、どれも勉強になることばかり
でした。自分自身がそうですが、木が好きな人は数メートル離れたところからでも見て
とれるほど、木製品を前に目をキラキラさせて近づいてきて下さいます[E:shine]
話しをするうちに商品に興味を持って下さる方、小物をご購入いただいて、家具にも
興味がわいたと東区の工房にも行ってみたいと言ってくださる方もいらっしゃいました。
そして、普段ぶんぶく堂の展示会に来て下さっている常連のお客様がここにも足を
運んで下さったり、高校時代から今もお世話になっている先生が見に来て下さったり。
はたまた高校時代には直接習ってはいなかった先生が、共通の知り合いを通じてこの
ホームページを見て下さっていた上に、大丸までご夫婦でお越し下さったり。
出店していなければ無かった出会いや、気に掛けて見に来て下さる方の存在に改めて
自分はなんて幸せ者だろうと実感した数日間でした。
お越し下さった方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
そしてまたいつもの制作の日々に。こちらは絵本とおもちゃを収納するための棚です。
上の段には絵本を飾りつつ、中が見えないよう扉の役割も果たすものにしました。
下の段にはカゴを置いて、簡単におもちゃを出したり仕舞ったりできるようにしています。
納品後にお客様からいただいた写真には絵本が綺麗に飾られていて、カゴもすっぽり
収まって、天板の上にはクリスマスの飾り付けがなされていました。この日記でも何度
も言っている気がしますが、中に物が収まった様子を見られることが、この上なく好き
なのです。『生活』を感じられるからでしょうかね。
そして気が付けば11月も下旬に差し掛かってきました。年末までを逆算していくと毎日
やるべきこと満載です。納品するものを最優先にしつつ、展示場の装いを新たに!と
日曜返上で奮闘中です。2011年にこの展示場をオープンさせて、3年前にはぶんぶく堂
10周年ということで更にリニューアルしました。その時から少しずつ手を加えたり模様替
えしたり、毎月毎月変化させてきましたが、ようやく今の時点での到達点が見えたような
展示場となりそうです。特に意気込んでというよりは、大丸のマルシェで商品をどう見せ
るか、どう手に取ってもらったか、そこで得たものから自然に派生して出た考えです。
また、毎月来て下さるお客様、時々のぞきに来て下さるお客様、初めてここをご覧になる
お客様、そのどなたにも楽しいと感じていただける場所にしたいと思っています。
今週末、26日(土)27日(日)10時〜17時です。
皆様のお越しをお待ちしております。
]]>好きな季節です。実家の田んぼの稲刈りも終わり、犬の散歩で田んぼの近くを歩いては
刈り取られたワラの匂いを嗅いで幸せな気分を味わっております[E:confident]
少しさかのぼってご紹介。こちらはチェリーのランドセルラック。随分前からお話をいただ
いていましたが、入学には間に合わなくても大丈夫ということでこの夏に納品しました。
棚の寸法と、縦にしても横にしても使えるようにというアイデアはお客様自身のものです。
横には手摺りが取り付けてあって、体操服などを掛けておくのに使われるそうです。
無印のカゴもぴったり収まって、制作しながら大変勉強になる勝手のいい寸法でした。
こちらも急がないからと、長くお預かりしていた帽子の木型。上が研磨前で、下の写真が
研磨後、となります。イチョウの木が使われていたのですが、押しピンで開いた無数の穴
をパテで埋めつつ、全体の形が変わらないように、表面のみを削って綺麗にしました。
こちらは展示してあったスツールをご覧になられた方からのご注文で、ひと回り大きい
もの(右)を制作しました。単純に図面でひと回り大きくすることは簡単ですが、それだと
最初のものとどこか印象が違って見えることが気になり、実際に制作しながらその場で
脚の太さや曲線を決めていきました。図面通りではなく、その場の印象を最も大事に
できることが、自分で制作できる醍醐味だと思っています。お客様もとても喜んで下さい
ました^^
こちらはアクリルケース。中にミニチュアのオーケストラが入るそうです。台座はただの
1枚板では反ってしまうため、額縁を作る要領で組んで制作しています。ウォールナット
は金属や素材の色味を引き立たせてくれる木なので、中が入るとまた面白いだろうなぁ
と想像しながら制作しました。
こちらはぶんぶく堂と同じく東区にあるキッチン屋さん。仕事で何度かお世話になって
いるのですが、この春にショウルームが出来たとお聞きしていました。やっとこの夏に
見に伺うことができました。もともとお住まいだった家をリノベーションされているのです
が、土間のキッチンがまぁ格好良いことといったら。。
北欧の家具が見事に合っていました。本当にいいもの見せていただきました。
この夏の干涸びそうな毎日を乗り越えて、鉢に挿し木していたムクゲが咲いたり。
今月は福岡市の植物園で毎年行なわれているウッドフェスタにも参加しました。台風が
次から次に九州に迫る中、奇跡的な晴れの2日間で会場もとても賑わっていました。
家具の制作も進めています。同時に2つの塗装が重なり、手狭な工房の塗装部屋は
こんな状態に。。
と同時にこちらの準備も。今月26日〜31日に天神大丸にて行なわれるイベントに参加
します!福岡県内外から約50ものパン屋さんが来るイベントとの同時開催とのことで
ぶんぶく堂もパンにまつわる商品をはじめ、見て、使って楽しいものを取り揃えて行く
予定です。なお、この期間に重なるぶんぶく堂での毎月の展示会はお休みとなります。
ご了承下さい。普段東区は遠くてなかなか行けない、月末の土日なんて忙しくて行けな
い、というお客様がいらっしゃれば是非この機会に☆平日を含む6日間、朝10時〜夜8時
まで、制作者もおりますので、是非遊びにいらして下さい。
毎日のこの強烈な暑さの中では、作業も思うようにはかどりませんが、そんな中
自分のやる気をパワーアップさせるアイテムは、音楽とアイスコーヒー。
これに尽きます。
自分の好きな深入りのコーヒー豆を濃いめに出して、大量の氷の中に投入。あ〜
これぞ夏の幸せ。今でもはっきり覚えていますが、コーヒーを飲むようになったのは
21歳の夏。大学ではみんな休憩時間といえばタバコにコーヒーでした。(女子も男子も。)
タバコもコーヒーも飲まない私はひたすらに制作。休み時間なんて、今思えば無かった
に等しいかもしれません。それがなんでか、21歳の夏はちょっと自分もアイスコーヒー
を飲んでみようという心境になり。最初は苦いだけでなんてまずい飲み物だろうと思った
まま何度か挑戦しつつも夏が終わりました。けれど次の夏にはもう、なんて美味しい
飲み物だろうと思うほど好きになっておりました。おそるべし。カフェイン。
そこから15年、もはやコーヒー無しでは生きられなくなりました。でもそういう息抜きが
作業効率を上げていることも間違いありません。
音楽もまた、作業をはかどらせるためのひとつの方法なのですが、これもまたやはり
学生時代に聞いていた音楽とさほど変わっていません。大学の頃、誰かが持って来た
CDでたまたま知った音楽が心地よくて、今でも毎日のように聞いていたり。
15年も前に良いと思ったアーティストが、今つくる音楽に今の自分が共感できるという
ことが、とても面白いとも思います。これは、自分が目指すものづくりと同じだからかも
しれません。曲調の違う曲を歌っても、メロディーや歌詞を聞くとその人だとわかる共通
した何か。自分の作る物も、テイストが違っても同じ人が作っているのだと分かってもら
える何かを、いつも気して、目指しています。
先月の展示会に来て下さった女性2人組のお客様は、ギャラリー巡りが好きでその時に
知り合った友人なのだとか。好きな物が似ているというお二人が、ぶんぶく堂の展示場
で手に取って良いと言って下さるものに、自分でも驚きました。それは、どれも自分があ
る共通した題材の中で制作したものばかりだったからです。テイストのどれも違って見え
るものを、好きだと言ってもらえるこの幸せ。これぞ自分の目指している(けれども日常
では見えてこない)ひとつの到達点のような気さえしています。
その時の話に上がったものが↓
『和』を感じる雰囲気を入れつつ、でも単なる『和風』ではないもの。北欧やヨーロッパの
木製品に見られるような、無垢の存在感を活かす形にもしたいと考えて制作したもの
ばかりでした。
なんて。ちょっと大げさですが、そんな嬉しい事があった先月の展示会でした。
8月は従来なら27(土)28(日)が月末の展示会となるのですが、諸事情によりお休み
いたします。来月は24(土)25(日)の開催予定です。よろしくお願いいたします。
]]>庭に置いている鉢植えの植物たちは、夕方の水やりの頃にはカラっからです。
工房での作業も、もちろんクーラーなど無いので毎日汗だくで[E:sweat01]
こちらは少し前に納品したパソコンデスク。逆光で細かい部分が少し見にくいのですが
お客さまのご要望で細めの丸脚、A4ファイルが入る引き出し(上段)、プリンターが引き
出せる扉(下段)、天板右上のコンセントの差し口、お子様の幼稚園バッグ等を掛けら
れるフック(右側面)の取り付けとなりました。これぞオーダー家具!という商品でした。
お客様も、ぶんぶく堂に頼んでよかったと喜んで下さいました^^
こちらはウォールナットの本棚です。扉付きの本棚って、ありそうで無い商品ですよね。
ガラスの扉も部分的に付けることによって、高さのある家具でも圧迫感が無く、また飾り
棚のような使い方もできる仕上がりとなりました。
時間がかかってもいいので、いずれは隣のテレビ台も同じ素材で頼みたいと言って
いただきました。なんとも嬉しいお言葉です。
その後、本が中に並べられた様子の写真もいただきました。小さな息子さんも自分の
絵本を並べて喜んでくれたそうです。中に物が入って生活の一部となった家具を見る
ことは、私の中ではとても嬉しくなる瞬間でもあります。
というわけで、今月もあっという間に月末です。明日からの二日間の展示会では、8月
納品予定の飾り棚等も展示しております。暑い中ですが、どうぞ遊びにいらして下さい。
また、来月(8月)の月末の展示会は諸事情によりお休みさせていただきます。
申し訳ありませんが、9月にはまた新作もご用意してお待ちしております。
]]>理由は定かでないまま諦めるしかなく、そこからすぐに固定のプロバイダーに申し込ん
で工事まで2ヶ月、本日ついについにインターネットが復活いたしました。
仕事でメールを確認したり、制作に使うものをネットで購入したり、知らず知らずのうちに
それがないと大変不便な生活を送っているのだな〜と改めて実感した次第です。数日前
にはREC COFFEEの岩瀬さんが出るバリスタの世界大会のライブ中継も見たかったり。
それらを行なうために、夫が使っていた携帯をスマホに変えるという決断までいたしまし
た。容量を喰わないようにだましだましだった事もあり、いつもなら更新する展示会前の
facebookも敢えなく断念。というわけで本日ようやく日記を更新です。
こちらは今月半ばに納めた、ナラのテレビ台です。こちらのお宅は木製家具のほとんど
がナラ材で、特に意識せずに違うお店で買い揃えたというから驚きです。潜在的な好み
があるのでしょうね。そういうわけでテレビ台もナラ材での制作となりました。大きなテレビ
をしっかり支えて、生活に馴染むものになっていってほしいと思います。
それから6月といえば実家の田植え。早朝6時、朝日を反射した代かきの田んぼは本当
に綺麗でした。これから収穫までの間、苗が生長していく姿を見ながらもっと色んな事を
知って、覚えていきたいと思います。
もうすぐ3歳になる姪っ子は、苗箱の裏に付いたナメクジ取り係。去年よりお手伝いが
上手に、長くできるようになりました^^
そして、REC COFFEEの岩瀬さん。アイルランドのダブリンで行なわれたバリスタの世界
大会に日本代表として出場されました。プレゼンに使う道具を頼んでいただくようになっ
て早3年。(今回は納品時に写真を撮りそびれたため、facebookから大会の写真をお借
りしました。)
容量の少ないスマホを使って、予選→準決勝→決勝まで進出されるのを見届けました。
結果は世界2位!すご過ぎます。決勝の様子、ご興味の有る方は是非ご覧下さい。
バリスタの事や英語がわからなくても、圧巻のパフォーマンスが面白い〜!
http://livestream.com/worldcoffee/events/5677001/videos/127674797
というわけで、制作したものもまた少しずつご紹介していければと思います。梅雨のまっ
ただ中。九州はこれでもかというほど毎日雨続きで、くせ毛が全力で暴れておりますが
湿気に負けず、がんばります!
]]>こちらはアンティーク調に仕上げたウォールナットの飾り棚です。普段のぶんぶく
堂ではちょっと見かけない形ですが、お客様のお宅に伺ってお話や好みを聞いた
り、他に置いてある家具を拝見しているうちに、段々と方向性が見えてこのような
形に行き着きました。
中にはお人形が飾られました^^
4月の月末の展示会予には、こいのぼりを揃えました。幼なじみの友人からこう
いうものができないかと頼まれたのが発端でしたが、いざ作って見るとなかなか
面白くて。お雛様や、梅雨をイメージさせるものとか、秋を連想させるものとか、
四季を通してこういうシリーズがあってもいいなと思いました。すぐには無理かも
しれませんが、徐々に展示会に出していきたいです。
それからこんなご注文もありました。↑こちら、お客様が数十年前に購入された
もので、買った時から後ろに寄っかかると転倒する椅子だったそう。。。それ以来
使わないでいたものを、最近になって忘れて座ったらやっぱり転倒して、なんとか
ならないものかというご相談でした。脚は固定の四本脚がご希望ということで、、、
このような形になりました。座面の木枠に合わせて木はウォールナットを使用。
少しですが前後に踏ん張るような曲線を付けています。高過ぎた座面も、一緒に
使うテーブルに合わせて低めにしました。どうぞ安心してお使い下さい!
そして最後は、同じお客様のもとにデスクとダイニングテーブルを納品しました。
どちらもお客様がこれまで使い慣れてきた椅子に合わせて制作しています。
白と黒を基調にされているお部屋だったので、ウォールナットが一番自然に生活
に溶け込む色なのではと、打ち合わせていく中で決まりました。オイル仕上げの
テーブルは、使い込むほど色艶を増して行きます。これからここで良い色になって
いってくれるといいな〜と思います。
そうして早いもので今週末はもう月末の展示会です。梅雨も間近に迫ってきました。
いつもはジメジメ嫌だな〜と思うこの季節。実は3月にぶんぶく堂の展示場にして
いる古民家の回りにU字溝を入れる工事をしました。それによって今まで水たまり
だった場所も全て雨水が溝に流れるようになり、湿気を減らすことができました。
その工事でやむなく切ることになった家の裏の槙の木。夫がそれで器を作りました。
これはまだ乾かしている段階ですが、皮も綺麗に残って良い感じです。
こちらは柿の木。槙に比べるとかなりワイルドですが、面白いものになりそうです。
例年より雨でもからっと快適になったぶんぶく堂、是非遊びにいらして下さい。
展示会は5月28日(土)、29日(日)10:00〜17:00となっております。
]]>3月の頭、チェリーのテーブルを宮崎県まで納品に行ってきました。
パソコン用に壁付けしたテーブル2台は、、、
ダイニングテーブルと高さをぴったり合わせています。大人数が集まった時には
テーブルとつなげれば12人が座れる大きさになります。
テーブルの納品に合わせて買われた椅子と一緒に。椅子は外国製で、通常
より少し高い座面だったことから、テーブルも標準より3cm高く制作しました。
テーブルは、高さ、幅、長さを1cm単位でオーダーすることができます。
こちらは変わってタモの一枚板のテーブル。『ちぎり』という蝶ネクタイのような形の割れ
止めを2ヶ所に施しています。
お客様は溶岩石の脚に天板を乗せて使用されていました。一枚板というと和室や座卓
というイメージが強いですが、組み合わせるもので雰囲気はがらっと変わりますね。
そして、3月末の展示会をお休みしている間、展示場は塗装部屋と化しておりました。
普段はなかなか無い、こんな光景。いったい何を制作していたのかというと・・・
4月21日にオープンした博多マルイの6階、レックコーヒーさんに家具を納品しました。
大きなテーブルや、スツール、、、
壁掛けの棚など。
入口の棚には、岩瀬バリスタが昨年と一昨年、日本一になった際のトロフィーが飾られて
います。
窓辺のカウンターは眺めが抜群。お店はHMVにも隣接していて、友達との買い物帰りでも
本を片手に一人で入っても、とても開放的で気持ちのいい空間です。
そもそも、レックコーヒーさんとはバリスタの競技会に使う道具を頼んでいただいた事が
きっかけで知り合いました。3年前から毎年、その年のコンセプトに合ったプレゼンテー
ションに必要な道具を制作してきました。無垢材は時間が経っても劣化することなく、木
の良い風合いが増して行くのが魅力の一つですが、この道具を使い込むことによって、
それが肌で実感できると言っていただいていました。
今回、出店の際にその事を思ってもらえたことは本当に嬉しいことです。私自身、自分で
作ったテーブルで初めて食事をした時のことを今でも覚えていますが、無垢材は触った
時の気持ちのいい肌触り、料理の色を映えさせたり、いつもの日常を明るく、新鮮に感じ
させる空気を出してくれます。使ってみて分かる不思議な感覚です。これを、初めて来店
したお客さんがふんわりと感じてもらえるお店になればいいなと思いました。美味しいコー
ヒーが更に美味しく感じる空間になればいいなと思いながら制作しました。
いつも、家具はその人の生活など、何かを引き立てるためのものになればと思いますが、
今回は味と心地よさを引き立てる道具になってくれることを願います。そしてここから長い
年月を経て、お店の歴史と共に良い風合いを出していってくれるものと思います。
そして明日からは4月末の2日間の展示会です。新作も数点取り揃えました^^
ゴールデンウィークにも入った週末、皆様のお越しをお待ちしております。
]]>
facebookで少しずつアップしてきた写真も含めて、ご紹介します。
こちらは昨年末に載せていなかった折り畳みテーブル。椅子を使ってデスクのような
使い方はしない、ということだったのでできる限りぺったんこになる構造を考えました。
天板は乗せているだけですが、しっかり安定感がありお客様も喜んで下さいました。
こちらは昨年デスク、横のチェスト、と順に制作していったもので、最後になりましたが
それに合わせた椅子を制作しました。素材が同じだと、統一感がでますね。お客様が
選ばれたオレンジ色の座面、とてもいい色でした^^
こちらは最近納品したウォールナットのダイニングテーブル。
お料理教室や予約制のランチ、ディナーを食べられるこちらのお宅(お店)、テーブルの
中央にはお鍋等の熱いものを置けるように、お客様が持ち込みされた建築用のタイルを
落とし込めるようにしました。
同じお客様に少し遅れて納品したのが、こちらのアイランドキッチン。ディナーを食べに
来られたお客様に料理する際の、調理、盛りつけ、配膳、片付け、等々の動線をお聞き
して、必要なものをできるだけ簡単に取れるように引き出しの配置を決めていきました。
扉のない唯一の部分は、長細いお盆を収納するための棚になっています。反対側にも
同じ場所に同じ収納があり、これだけでもかなりの量を収納できます。他にも水切りカゴ
調味料、包丁、ゴミ箱、その他空いた隙間も余す所なく引き出しにしました。
その、余す所なく収納にするための過程がこちら。 複雑!でした。とても。
でも出来上がって後日伺ってみると、適所に使いやすく色んなものが配置されていて
見ている私が嬉しくなりました。そしてこちらでいただいたお料理がまたとても美味しくて
早速次は私が客として予約させてもらいました^^
他にも色々と。酒蔵開きに持参するという、ぶんぶく堂にいつも来て下さるお客様から
升のご依頼。ぶんぶく堂に頼んで良かった!と思ってもらえるように、ありきたりな素材
を避けて、強いてこんなものを作ってみました。お酒の席ですので、遊び心全開で^^
長い間欠品していたナイフ付きのバターケースの在庫を増やしたり。
帽子をたくさん掛けられる帽子ハンガーを制作したり。こちらは昨年からのご依頼で
形を考えるのに数ヶ月お時間をいただきましたが、できあがりがお客様の想像を
超えてスリムだったことで、大変喜んでいただけました。追加で背面にも帽子を掛け
られるようにして、約165cmの高さで9つの帽子を掛けられるものができました。
上の写真は2009年に県立美術館で展示会をした際に制作した、ミニスツール。
それを覚えて下さっていたお客様が、昨年末の展示会に来て下さり、今度3歳になる
子供さんへのプレゼントにと注文して下さいました。使う人の年齢がわかっているという
ことは、そうそうあることではありません。座ったり、この上に立っても危なくない高さと
強度と安定感。そしてこの子が大人になってもずっと身近に置いておけるものを、という
ご要望でした。打ち合わせてサイズを決めることは、私自身大変勉強になりました。
そもそもこのスツールは、子供用ではあるけれど大人が見ても飽きないということが
コンセプトでした。まさに、それを言っていただいて。想像して作った7年前とはまた違い
今回はそのときよりも5cm低くして制作しました。後日お客様からメールをいただき、子供
が自分のものと認識して大切に使っていますという内容や、子供が見ていないときに
自分がこっそりここに座って歯磨きしています、とのコメントも^^ 子供から大人まで使えて
いる様子を実際にお聞きして本当に嬉しくなりました。
・・・と、更新が滞っていたことでこんなにも盛りだくさんになってしまいました。
1月に指を痛めてしまったこともあり、納品が遅れている状況です。今はもうすっかり
元気にバリバリ制作できていますが、とにかく元気でいなければ何も始まりません。
そんなこともあり、遅れている制作を進めていくことと、また4月上旬に納品を控えた大
掛かりな制作もあり、3月の月末の展示会をお休みさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
]]>ブログに載せられなかったものもいくつもありますが、今年最後にいくつかご紹介します。
こちらは以前ブログでご紹介したヒノキの本棚に引き続き、ご実家の山の木で家を建て
られたご夫婦のお子様二人にデスクを制作しました。材はその山のヒノキです。納品に
伺うと二人ともとっても喜んで荷物を運び入れてくれていました。数分後には・・・
いい感じです[E:catface] シンプルに作った形が、使う人によって染まっていくのが一番嬉しい瞬
間です。
こちらはこの夏に、関東からお問い合わせがあったロッキングチェアの修理。
ホームページに過去に修理した同じような写真を載せているのですが、それをご覧になら
れた方からのご依頼でした。
折れた脚と反対側も小さな亀裂があったため、二本ともお取り替えしました。出来上がった
ばかりの状態では脚が若干明るく見えますが、時間が経つほどに木の色が濃くなるため
全体に色が馴染んでくることと思います。汚れを落として色の落ちた擦り傷も目立たないよ
うにしました。脚が折れて使えなくなった状態の頃の写真からすると、木の艶もよみがえっ
たように思います。数ヶ月お預かりしていましたが、なんとか年内に送り返すことができまし
た。ご依頼主の方からは「これで8ヶ月になる孫をあやすことができます。」と嬉しいご連絡
をいただきました。
そして12月の展示会では新作のペンケースを販売しました。以前からペンケースが欲しい
とのお問い合わせをいくつかいただいていたので、いつか形にしようとぼんやり温めていた
ものを、この度本気でひねり出しました。
見た目はシンプルですが、このような開き方をします。見たことのない面白さを持ちつつも
絶対に使いやすく、見た目はシンプル。これを念頭に制作しました。展示会ではとても好評
で、年に2回くらいはこういう新作を作り出していきたいな〜という思いに駆られました。
こちらはお茶や茶器を入れるための現代の茶箪笥、という感じでしょうか。ご依頼主は
男性の方で、棚の間隔ひとつひとつの寸法をご指定いただきました。高さ1500、横幅550の
スマートな収納です。特注家具の中でも、好きなものを眺められるように入れる家具という
のは、使われる方の楽しみが伝わってくるようで私もちょっとわくわくしてしまいます^^
こちらは食品を収納するための棚。(写真が斜めのアングルばかりですみません。。)
引き戸の取っ手を何か特徴的で面白いものにしたい、とのご要望で。。。
こちらをご提案させてもらいました。何の脈絡もない意匠を施したり、抽象的にするのは
個人的に気が進まず。お客様は名字に『松』の字が入っていたため、縁起も良いこの紋様
にピンと来ました。お客様も喜んで下さいました。 いつもは取っ手やつまみのないシンプル
な家具をご依頼いただくことが多いので、今回は新鮮で刺激になりました。
そんなこんなで2015年もあとわずかです。ぶんぶく堂も今日で仕事納めでした。年末年始
の数日間の時間をゆっくり過ごしながら、この一年のことを振り返りつつ、来年へつなげて
またがんばりたいと思います。
お客様をはじめ、お世話になった方々に心から感謝申し上げます。
どうぞ皆様、良いお年をお迎え下さい。
]]>桐は灰汁の強い木であるため、直に雨に打たせながら乾燥させていきました。
昔はこうやっていたのだと、材木屋さんに習ったやり方です。今は薬品の力で
この灰汁を抜くため、このような手間ひまのかかる乾燥方法はほとんど見られません。
しっかり乾いたことを確認して、木肌を削ってみると・・・・・
お〜綺麗〜!と思わずニヤけてしまいました。市販されている桐は、年月が経つと
薬品で抜けきれなかった灰汁が後から出て来て黒ずんでしまいますが、雨に打たせた
ものはそれが起きないそう。しばらくは工房に寝かせておいて、来年時間のあるときに
私の曾祖母の桐ダンス(←虫食いだらけ)をこれでリメイクしてみようと考えています。
今朝起きると、久々の快晴の中、縁側にこんな影ができていました。思わず写真を
撮りたくなりました。せっせと採って、くるくると剥いている両親を横目に今年は何の
手伝いもできていませんが、これを眺めて毎朝束の間の幸せに浸っています。
桐を乾かしたり、干し柿を眺めたり。手間ひまを掛けるって、本当に気合いを入れないと
なかなかできなくなってるなと思います。出来上がったときの嬉しさを忘れないように
忙しさのせいにせず、またやろうという気持ちにつなげたいものです。
]]>してしまいまして。気を取り直してもう一度。
8月に納品したデスクの横に、チェストが納まりました。材料はナラの木を使用。しかし、こ
の配置だと壁のコンセントを潰してしまうことになり、、、
結果、チェストの側面にコンセントを持ってくることにしました。これでデスク周りの充電器や
スタンド等も問題なく使えます。デスクの薄い引き出しにはノートパソコン、チェストの深い
引き出しにはA4ファイルが入ります。普段リビングのテーブルでパソコン仕事をされていた
このご家庭のお母さん。同じリビングではありますが、旦那さんやお子さんが見える距離で
個人の仕事スペースが出来たことに大変喜んで下さいました。
それからこちらは新築祝いに頼んでいただいた角盆です。裏にはその新築の家のアウトラ
インがレーザーで彫られています。家族一人に一枚ずつ。表には名前を刻んで、それぞれ
が食事の時に使うランチョンマットのような役割になればということでした。面白いプレゼン
トですね。
はたまたこちらは結婚式の鏡割りで使用した酒樽を、その後テーブルにリメイクできないか
というご注文でした。花嫁さんのおばあちゃんのご実家の酒蔵のもので記念にずっと取っ
ておきたいというお話しでした。素敵です。どこで使うか分からないということでしたので、
ベランダ等の屋外でも使用できるよう、紫外線や雨に強いオイルを選びました。お酒が入
ていた所はどうしても色が変色してしまうため、柿渋を塗りました。色が濃いと、中に飾るも
のも映えて見えるので、それがかえって良く思えました。中にどんなものが飾られるのか、
とっても気になるところです[E:confident]
そして最近は、プライベートでも木にまつわるものを見る機会が増えています。制作でなか
なかゆっくり休みを取ることは難しいのですが、納品の帰り道など、半日弱の時間を利用し
て行ってきたのがこれ、現在福岡市で期間限定で開かれている、西畑清順さんの世界7大
陸植物園。写真はオリーブの木です。写真撮影もOKで、見たことのない植物に囲まれてと
ても興奮しました。
こちらも半休を利用して見に行った、福岡の築上郡というところにあるクスの木。樹齢は
1900年で、幹周りは22m。日本で3番目の大きさの巨樹ということでした。樹齢といい、大き
さといい、全てが壮大過ぎて言葉になりませんが、とにかくとても気持ちのいい、どっしりと
落ち着いた雰囲気を感じました。
西畑清順さんの本の中に、こんな言葉がありました。
『もし君が砂漠で遭難したとして、絶望のなか何日もさまよっているときに、この花を見たと
したら、それでも美しいと思える自信はあるかい?花を美しいと思えるかどうかは、おおよ
そ、自分の心次第なんだ。美しいものをちゃんと美しいと思えることは、自分の心が豊かで
幸せな証拠だと思うと、そんな日々に感謝したくならないかい?』
砂漠でバラを見ていたときに、突然浮かんできた言葉だといいます。
普段、木を触っていて木目が綺麗だな〜とか、大きな木を見てスゴいな〜生きてるな〜
とか思えている自分にまさに言われているようで。そんな日々に感謝したくなりました。
]]>一枚板が奥にドンと並ぶこの光景が、新たな展示場の一部となります。新たな試
みも含め、ようやく自分たちが思い描いていた空間に近づけた気がしています。こ
こから毎月少しずつ変化させて、いつ来ても新しい、楽しい場所にしていこうと思っ
ております。そんな9月の展示会もおわり、ご注文いただいている商品を作る日々
に戻っています。
こうやって展示場の様子はこれまでも何度も写真に載せてきましたが、現在展示場
に何があるのかを具体的にお知らせしたことはこれまでありませんでした。そこで、
10月の展示会までの約1ヶ月間、ぶんぶく堂のfacebookページにて毎日ひとつずつ
商品をご紹介していくことにしました。facebookに登録されていなくてもご覧いただけ
ます。 https://www.facebook.com/bunbukudou
と、本当はここから最近の納品の様子を1時間半かけて書いたのですが、、、誤って
全て消してしまいました[E:weep]同じ文章をもう一度書けないもどかしさ。パソコンこわい。。
というわけで、近日中にまた更新いたします!
]]>吹っ飛んでいくのではないかと思う程の暴風雨でした。幸い、庭木の枝が折れ
た程度で、大きな被害はありませんでした。8月は月末の展示会をお休みして
制作を進めています。展示場のリニューアルも同時に進めていかなくてはいけ
ません。
前回の日記でもご紹介した、こちらの靴の棚。その後、お宅に納品に行きました。
実際に靴を置いてもらいました。カラフルな靴の色がとっても映えて見えました。
「毎日玄関で好きな靴を見て癒されてます。」とお言葉をいただいて、私も大変
嬉しいです^^
そしてこちらも前回の日記でご紹介しました、ナラの丸太を板に製材したもの。
ダイニングテーブルになったり。
パソコンデスクになったり。こちらは部屋のリノベーションの際に、配管の関係で
どうしても段差が取り除けなかったという部屋の一角に合わせて、脚の長さを
変えました。脚をジョイントすれば、標準的なダイニングテーブルの高さにして
別の場所で使うこともできます。
そしてこちらも同じくナラ材で制作した子供椅子。といっても大人も座れる強度を
備えています。大きくなってもずーっと使えるものを、部屋に置いてあってもあまり
子供っぽくないものを、そう思って作った形です。一緒に年を重ねていってもらえる
ことを想像すると、嬉しくなります。お客様との話に夢中で、うっかり写真を撮りそび
れてしまって悔やんでいたところに、この写真が届きました。とっても素敵な写真を
ありがとうございました。
こちらは素材が変わって、国産の杉材です。広葉樹とはまた違った独特の質感。
優しい色味と香りも、好きです。
そしてこちらは桧の本棚。お客様のご実家の山から切り出した杉、桧を1年かけて
乾燥させ、昨年家を建てられました。その後残った材で、家具を制作できないかと
いうご相談を受けてこの本棚を制作しました。お客様ご夫婦は私たちと同じ歳だと
お聞きしています。だとすると、この材料はおそらくお父さん、おじいさんと、その上
ひいおじいさんの代から管理してきたものだろうと思います。長い年月と、伐採して
からもとても手間ひまのかかる作業ですが、これこそ究極の地産地消です。身近で
見て、お話を聞いて、本当に感心しました。
そんなこんなでもう8月も月末にさしかかっています。お待たせしているお客様
への制作、納品と、展示場のリニューアル。がんばります。
写真は台風3日前に西区へ納品に行ったときのもの。海の上空一面うろこ雲。
今思うとこれも台風の影響だったのかな〜。
]]>もう目の前です。蚊はうじゃうじゃ。例年は局地的な豪雨が何日も続いて、家も工房も
ものすごい湿度になるのですが、今年は梅雨前線が福岡までなかなか上がって来ない
ようで、来ても停滞しないようで、しとしと程よい雨が数日置きに降っています。
気が付けばブログの更新が2ヶ月以上滞っておりました。その間も制作の毎日でした。
写真にうまく残せていないものもあるのですが、いくつかご紹介します。
こちらはカヤの木を使って制作した分福椅子。お客様がお持ちの材料を使いました。
カヤの木は碁盤や将棋盤に使われるのが有名です。私も扱うのは初めての材でしたが
目がしっかり詰まって加工しやすく、シナモンのような独特な香りも印象的でした。
この椅子はぶんぶく堂の屋号の由来『ぶんぶく茶釜』にかけて釜をモチーフに、11年
前に形を考えたものです。白い木に柿渋を塗っていた今までとは違い、黄金色の分福
椅子、斬新でした[E:shine]
こちらはぶんぶく堂のロゴを象った時計。月末の展示会でご注文いただいて制作しました。
上の椅子と形は違えど、どちらも『たぬき』がキーワードになっている商品です。ぶんぶく堂
が目指すところは、使いやすさと愛着の持てる形。お届けしたお客様の目にも、そんなふう
に映っているといいなと思います。
背景の窓枠と重なって見えにくいのですが、こちらは特注で制作した靴置き(手前)と
靴を磨く道具類を仕舞う収納(奥)のセット。天板は開閉式で、上に座れるような強度と
椅子にちょうど良い高さで仕上げています。棚にカラフルな革靴やスニーカーが並ぶ
のを想像すると、楽しくなります^^ ウォールナットは色を活かすには最高の素材かも
しれません。
そしてこちらは梅雨前に材木屋さんに配達してもらった、ナラの丸太。幅広く長い板の
皮を剥いで切って、がんばって工房に押し込めました。工房を開設した頃に比べると
ナラはとても手に入りにくくなった材のひとつです。今回は約1年前に丸太で買って乾燥
していた材がようやく使えるようになり、配達してもらいました。国の条約の内容が変わっ
て輸入量が激減したり、為替の変動に価格が左右されたり。木工の道を選んだ時には
考えなかったことですが、必要とあらば、そこに目を背けず進んでいくしかありません。
今あるものを大事に使うことはもちろん、うまく流通していない国産材にも目を向けたり
海外のものでも安定的に手に入るものを選んだり、自分で丸太を製材して乾燥させたり。
とにかく色々な木を知って進んでいくことだと考えています。
そしてこのテーブルたち。この春から、テーブルの天板に脚を直接ねじ込むタイプの
ものをつくり始めています。そもそもは肘置きの付いた椅子を収納できるようにという
ご要望から、試行錯誤で誕生したのですが、そこから少しずつバリエーションが増えて
座卓なども制作しています。現在、小振りなデスクのご注文を別々のお客様から数台
いただいていて、そのモデルを制作中です。このねじ込み式の脚でデスクができれば
コストを抑えて簡単にばらすこともできるようになります。木の反りが出ないように工夫
しながら、この方式で制作する家具と、従来通りホゾで組んで制作する家具、両方を
ご提案できるようになっていきたいと思っています。
ホームページのトップにもお知らせしていますが、8月の月末の展示会を一度お休み
させていただきます。展示場の入れ替えと、更なる充実が目的です。デスクのモデル等も
仕上げて展示する予定です。7月は予定通り展示会を行います。
どうぞよろしくお願いいたします。
]]>それは自分だけじゃないのか、先日九州に出張に来た友人、旅行に来た友人、
普段福岡にはいるけれど滅多に会えない友人から、連絡が来たり会ったり一緒に
お酒を飲んだりする機会がありました。嬉しいですね。本当にいい季節です。
前回の日記に載せたナラのテレビボート、その後同じお宅にサイドボードを納めました。
最初に納品していたダイニングテーブルと合わせて写真を撮ったので、それも合わせて。
扉は全てプッシュ式です。取っ手や手がかりのための隙間もなく、本当にすっきり。
無垢の趣、全開です[E:shine]
一番左の扉は両開きで、中は広い空間になっています。天井にはワイングラスホルダー。
高さの変えられる可動棚があり、その下はお酒専用の収納です。(いいな〜。)
その隣は茶器を仕舞う専用。トレイをそのままお盆として使えるようにしています。
これらはお客様自らのアイデア。使い慣れたものを、いかに使いやすく収納するか。
私も大変勉強になりました。
椅子は飛騨産業さんのアームチェア。肘を置くところがテーブルの中に収まるよう
テーブルの脚と脚とを繋ぐ貫を無くして、天板に直接脚をねじ込む方法で作りました。
貫を入れられないので、天板の反りを止めるために鉄板を使っています。
天板の裏をを覗き込まない限り、見えない構造です。
照明が入るとまた違った雰囲気でした。ナラでの統一されたお部屋はとても落ち着いた
空間になったと思います。
話は変わって、、、こちらは4月9日〜12日にアメリカのシアトルで行なわれたバリスタの
世界大会で使われた、プレゼンテーション用の道具です。一昨年、日本大会の決勝用
に福岡の薬院という場所にあるREC COFFEEの岩瀬さんから制作を依頼されたことが
きっかけで、昨年も制作に携わりました。その昨年の大会で岩瀬さんは見事日本一に
輝き、今年4月の世界大会に向けて、新たに制作する運びとなりました。
この写真は、日本を出発される直前に不具合がないか確かめに行った際に撮影させて
もらいました。本番さながらでしたが、実際にはもっと作り込まれていました。4月9日から
の数日間、時差がありますが日本では早朝6時頃ライブ中継を見られることを知り、早く
起きてドキドキしながらネットの中継を見ていました。田舎の片隅にあるこのぶんぶく堂
に来てもらって打ち合わせをしていた人が、目の前で世界を相手に堂々とプレゼンする
姿に本当に感動しました。なんとその時見たライブの映像が、その後もずっと見られる
ではありませんか。http://livestream.com/worldcoffee/events/3952875
ページを下げて行くと、岩瀬(YOSHIKAZU IWASE)さんの写真が出てきます。バリスタの
ことをいまいち分かっていなかった私も、岩瀬さんをはじめ、世界の選手の動きやしゃべり
に釘付けになりました。英語でプレゼンするだけでも大変な中、作業の手を少しも止める
ことなく、審査員に気を配りつつ、制限時間を気にしつつ。すご過ぎです。世界各国の代
表48人が参加した中、岩瀬さんはセミファイナルまで進んで7位。惜しくも6位までの決勝
には残れませんでしたが、本当に素晴らしかったです。久しぶりに作業以外で寝不足に
なり、興奮した数日間でした。
こちらが世界大会での実際の写真です(REC COFFEEさんのホームページより引用)。
今回素材に使用したウォールナットは、その上に乗るものの色や素材感を引き立てる
効果があるように思います。コーヒーチェリーの赤が段階を追ってダークになっていく
状態や、説明書きの紙、グラス、カップ、スプーン。どれも色、質感が立ち、水やガラスの
光も優しく反射させているように見えました。木は大部分で存在しているけれど、主役では
なく名脇役的な働きをしてほしいと願っていました。
審査員はじめ、見る人の目にそう映っていたなら良いなぁ。。。
1、2、3、4月と、ひた走りに走って制作してきましたが、ちょっとひと息というタイミングで
久しぶりに友人にも会うことができ、パワーをもらいました。お待たせしているお客さまの
ものも、またしっかり制作していかねばです。
そして今週末は展示会です。蚊もまだいなくて気持ちのいい季節。皆様のお越しをお待ち
しております。
]]>続いています。
2月に納品した商品のご紹介です。少し変わった形をしている箪笥?のようなこの箱。
引き出しを開けて、引き抜いた前板でフタをしていくと、、、
このような五段の段差が出来上がります。引き出しの中には、、、
きっちりサイズを合わせて仕切りが。中には、お人形と飾りが入っています。
実はこれ、ひな壇なのです。去年の夏にお客様からご相談を受けて、毎日頭の片隅に
このことを考えながら過ごしていました。お孫さんへの初節句に合わせて、現代の住宅
事情でも飾れる&コンパクトに収納できるひな壇を、というご要望でした。
『必要なものを全て収納』できて、『五段になる』という二つをテーマにあれこれイメージ
を膨らませました。お雛様の時期以外は飾り棚として使えて、一番上の引き出しは普段
使う物を収納できるようにスペースも確保しています。
とても楽しい時間でした。いつも家具を作っているときとは少し違う脳ミソを使っている
ようなその感覚は、学生時代にはよく経験したものです。目的だけが決まっていて、
そこから形を自由に考えるという作業。久しぶりに頭が活性化した気がします[E:flair]
それからこちらは新築のお宅への家具の納品の様子。この壁一面のスペースに合わせ
てテレビ台とキャビネットを制作予定です。まずは半分のスペースを使ってテレビ台。
チェリー材を使って制作しました。木肌がとても綺麗でした。チェリーは日の光を浴びると
濃い飴色に変化していきます。毎日見ながら過ごしているとなかなかその変化に気付け
ませんが、次のキャビネットを納めるまでに少し時間が空くので、色の変化が分かるかも
しれませんね。
こちらも同じくテレビ台ですが、素材と形がガラッと違います。こちらはナラ材を使用し、
お客様のご要望で一枚板のように見えるような扉に。脚も付けて床から浮かせました。
一見シンプルに見えますが、無垢材をそのまま一枚で使うことは、とても難しい事です。
木の反りを止める工夫をどこにどのように施すか、色々と考えながら制作しました。
背板ももちろん無垢材。取り外せて、、、
中に空間を作ることで、配線を束ねて収納できるようになっています。お客様のご要望で
このような構造になったのですが、それにより私自身も様々な市販の家具を見て勉強する
とても良い機会となりました。
最後にこちらはカッティングボード。カタログ等に載せるために、写真撮影をしました。
上に乗せるものによって、木の表情がその都度変わります。作者自身がそれを楽しむ
ことが、ものづくりの原点のような気がします。
今回ご紹介したものは、定番商品を作っている中ではどれも経験できないことです。
お客様とのやり取りの中や、自分たちで使って気付いたり。そうやって生まれる形や
その経験自体を大事に、進化し続けていきたいものです。
]]>なんて期待していましたが、またものすごい寒さに逆戻り。週末2日間の展示会では
古民家の展示場を温めるには、ストーブ3台がフル稼働でした。
でも『立春』は暦の上では春。不思議と昨日までの寒さがちょっと和らいで温かさを
感じる一日でした。学生の頃は北海道の旭川家具に憧れていた時期もありましたが
九州のこの寒さでガタガタ言っている身では憧れもへったくれもありません。はい。
今年に入ってからは、昨年末までに制作がおわらなかった小物を中心に仕事を進めて
います。
籐かごの作家さんからのご依頼でもう8年以上も制作しているバッグの取っ手。この春
には東京でバッグの企画展もされるそうで、自分の手元から離れて様々な用途で使わ
れて行くことを想像すると、なんだか面白いものです。
こちらも数年来制作している帽子作家さんからのご依頼の商品。このカーブした頭の
部分に布をあてて、帽子の生地にアイロンをかけるのだそうです。帽子教室の生徒さ
んが増えるごとにご注文をいただいてきました。異業種の方の木の道具をつくるという
のはこれまた面白さを感じるところです。
こちらはとある会社の歴代の社長さんのお名前を、真鍮のプレートに刻んで貼付ける
ための額型のボード。見本の手板からブビンガという赤い木を選ばれました。目の詰
まった重い木で、艶もよく出ます。壁にしっかりと固定できるように裏には専用の金具も
取り付けました。この後真鍮の加工をしてくださるところにバトンタッチしたため、納品の
様子は見られませんでしたが、後日写真を送ってもらえることになっています。
こちらは日本画家をされている(友人ご夫婦)からのご依頼で制作した奥行きのある
額縁。一部(羽子板の額以外)をつくりました。ハマグリに金箔を貼り、中に岩絵の具
で絵が描かれています。とっても繊細な貝合わせの作品が引き立ついいものになれば
と思っていましたが、実際に中が収まったところを見られてよかったです。
絵を描く方は、きっと額まで含めての作品だと思って制作されているはずです。市販品
の中に思うようなものがなく、今回のように枠まで考えることができる機会を喜んでもら
えるのなら、私にとってもこんな嬉しいことはありません。2月末のぶんぶく堂の展示会
では、この貝合わせを一部飾らせてもらうことになっています。お雛様の柄もあったので
シーズンもぴったりですね。
そしてこれは前回の日記に書いていた庭の桐の木を切り、製材した後の様子。
お世話になっている材木屋さんや、インターネットの情報等を統合してこのスタイルで
乾燥させることに決めました。雨に打たせて桐の持つ独特のアクを抜きます。最近は
こういう方法を取って乾燥させる工房は少なく、雨に濡れない場所で乾燥させるので
アクは残ったままだそうです。私も桐は扱ったことが何度もありますが、買った時は
真っ白な桐が次第に黒ずんできてしまうのは仕様がないのだと思っていました。
ですがそれがアクの仕業ならば、試してみたいということで。手間はかかりますが、
こうして雨に打たせて、自然に約一年乾燥させた材で自家用の箪笥を作ってみよう
と思います。アク抜きの実験です。
それからこれは庭に夫が作ってくれた薪小屋です。日曜日を半日使ってのDIY。
月末の展示会を2日間に縮小した分、展示場、その周りの生活空間を整える時間に
あてたいと考えています。
これは現在の展示場の様子。毎月レイアウトを変えて、新作を出していきたいと思い
ます。小物中心の制作も一段落。2月は展示会の準備以外はひたすらご注文いただ
いている家具作り。寒さに負けず、頑張るぞー。
]]>30日まで作業するというもの鬼のような日々を過ごしました。こんな経験、そうそうない
ことです。10年目の節目、たぶん一生忘れない年末です[E:shine]
そのかわりお正月の3日間は、本当にゆったりと静養することができました。あちこち
痛かった体も完全復活!今年は4日から作業を開始しています。体が資本のこの仕事、
本年はペース配分をもう少しうまくしていかなければと考えています。
さてさて、昨年納品してご紹介できていないものが数点。
こちらはテレビの上の吊り戸棚。ウォールナット材で制作しました。無垢材は重さが
あるので、こちらのお宅が建設中に柱の位置を確認しに伺いました。壁にしっかりと
固定しています。建ったばかりの素敵なお宅。皆が集うリビングで生活道具やテレビ
周りの収納に役立つものになると嬉しいです。
こちらはダイニングセット。2脚ある椅子のうち、1脚は背もたれにもファブリックを
張っています。お部屋がぐっと明るくなって、お客様も喜んで下さいました。
そしてクリスマス前の展示会も行ないました。新作はゼブラウッドという木でつくった
サラダボウル。自然にできるシマシマ、しましま。すごいな〜と木目に見入ってしまい
ます。今月末も展示場でご覧いただけます。
そしてこれも年末。私の実家の桐の木を業者さんに伐採してもらいました。桐の木といえば
昔から、娘が生まれたら苗を植えて嫁ぐ時にそれを切って箪笥に加工し、花嫁道具として
持たせるという話があります。大きくなるのが早く、20年くらいで材としては使える大きさに
なります。この桐は推定樹齢32年というところで大きさも十分、今回伐採の話を聞いて、で
はではそれを私が箪笥にしてみようということに。花嫁道具にするには遅過ぎますが、父
が植えた木ならば私がそれで箪笥を作るのはちょっと感動的。と思っていました。ですが
なんとよく聞いてみるとこの桐の木は父が植えたものではなく、実家が建つときにはもう勝
手に生えていたものだとか。思い描いていた感動話が。。笑
材木の乾燥等で一年以上かかりますが、いいものになればと思います。
話は変わって、ここで二つほどお知らせがあります。まず一つ目は現在ご注文いただいた
場合の納期についてです。小物は毎月の展示会で注文を承って、約2ヶ月程でお渡しして
います。ですが家具に関しては現在今年11月までの制作が決まっています。家を新築され
る方など、1年以上前からご予約をいただいている方、急がないからと昨年ご注文いただ
いた方、住宅エコポイントの商品提供側に参加していること、小物のご注文への対応等を
考慮してスケジュールを立てた結果、そのような状況となりました。ただ、商品の種類や大
きさによっては他の家具と同時に進められたり納期が少し早まる場合もございますので、
家具をお考えの方はどうぞ一度ご相談下さい。
そしてもう一つは月末の展示会です。これまでは月末の週末3日間、金・土・日と行なって
きましたが、今年1月より土・日の2日間に変更させていただくことにしました。これはご注
文いただいている商品を少しでも制作していく時間を作ることと、展示場内の商品をもっと
充実させるための止むを得ない決断です。展示場が何度来ていただいても飽ない場所と
なるよう、今よりもっと見ごたえのある空間にしたいと考えています。夫婦、個人単位でやっ
ていく中では限界もペースも変えられない不自由さはありますが、注文してよかったと思っ
ていただけるようなものづくりを目指して頑張ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
]]>冬らしい日々になりました。かと思うと、もう今年もあと少し。やることが多過ぎて
焦る気持ちも然ることながら、そんな時期だからこそいつもより意識的に丁寧に
制作しようと努めています。
材木屋さんにしばらく置かせてもらっていたウォールナット材を先日配達して
もらいました。小さな工房なのであっという間に材木置き場が埋め尽くされて
しまいました。この年末、年始にメインに使っていく予定の材料です。
こちらは納品を控えた家具たち。子供用の椅子に、丸い畳座布団を収納する
ための箱です。どちらも同じお客様からのご要望で制作しました。アサメラという
ずっしりと重厚感のある材料を使用しています。
そしてこちらはタモ材で制作したリビングボード。棚は可動式になっています。
明るいお部屋と白い壁紙が印象的なこちらのお宅、もともとあったタモ材の
テーブルに合わせてこの素材を選ばれました。高さのある家具なので、圧迫感
がないようにとフレーム状で背板のない形に打ち合わせて決めていきましたが
実際に置いてみると飾るものがよく映えて見えました^^
この家具を制作する際に、お客様のお宅に伺って打ち合わせを行ないましたが
お話しする中で印象的だったのは、生活用品を新調するときのワクワク感、でした。
私自身もそうですが、例えばお皿一枚、自分が気に入ったものが生活の中に加わ
ることで、ちょっとした幸せが生まれますよね、というお話。それが家具ともなれば
もっと大きな話です。インテリアを自分の好きなもので揃えていく、そのワクワク感が
どんなものかは私自身も知っています。そんな生活を潤す存在になり得るものを
自分自身が作リ出しているのだとあらためて実感した瞬間でもありました。いい意味
での責任を感じつつ、思いを込めつつ制作しました。この家具もまた愛着を持って
長く使っていただけるものになるといいなと思います。
そしてそして。この寒い中でなんとも爽やかな写真。これは今年5月に行なった
ぶんぶく堂10周年のイベントでライブをしてくださった『こわ』のお二人の写真です。
そのお二人が来週の展示会の中で、20日の13時から約30分間クリスマスライブを
して下さる予定です。温かい飲み物もご用意してお待ちしておりますので、是非是非
お越し下さいませ。
]]>れています。前回の日記で少しお話ししていた巨大な食器棚、ついに完成です。
ぶんぶく史上最大の大きさでした。もちろんこの大きさで作っては運ぶことも家の中に入れ
ることもできませんので、分割して作ります。今回は6分割。小振りの食器棚を6個作ったこ
とになります。うん、そりゃでかいはず。
6個のパーツのうちの2つを置いた段階で写真を撮ってみました。うちの狭い工房では仮組
みしかできなかったので、扉や引き出しが入って壁一面で見ると、自分で作っておきながら
ですがあまりの大きさにちょっとびっくりしました。背板や棚板などにもベニヤは使わず全て
ウォールナットの無垢材で仕上げています。そしてとにかくすごい収納量。お客様も、これ
から食器を並べるのが楽しみだと喜んで下さいました。
そしてこちらは別のお宅に納品した、杉の収納。カウンターの下のスペースをうまく使えな
いかということでご相談いただきました。ぶんぶく堂の展示場はこの杉をディスプレイに
使っているのですが、それをご覧になられたお客様からのご要望でした。普段は硬い広葉
樹を主に使っていますが、個人的にこの綺麗な柾目の杉の表情も大好きです。木の香りも
本当に体に染みてくる独特の心地よさがあります。けれど杉は木肌が柔らかいという難点
もあります。なのでテーブルや椅子のように毎日人が触りその上で物を動かしたり引きずっ
たり、時には何かをぶつけてしまうようなものには不向きだと考えます。ですが家の構造材
になるくらいですから、壁の一部に溶け込むような使い方には最適だと思います。杉の良さ
を最大限に活かす以外にもう一つ考えたことは、横幅2500mmのこの収納をどうやってマン
ションの上まで運び入れたのか、不思議に思ってもらえるくらい一つのカタマリに見えること
を目指しました。実はこれ、いくつものパーツを運び込み現場で組み立てました。やむを得
ずビスも使っていますが、覗き込まないと見えないような場所にのみ、です。いくつのパー
ツに分けて、どういう構造にするか、私の場合、それは図面上ではほとんど考えません。
全体像のラフスケッチは描きますが、どこでどう分割して作るかは、実は他の家具を作って
いるときか、全く違うことをしているときに思い浮かびます。家具作りは頭で考えずに機械
的に体だけを動かさなくてはいけない時間が多々あるので、そういうときに私の頭の中の
半分は、次の大きな家具をいかに効率よく作るかということになっていたりします。もちろん
危なくない作業中でのお話です。
そして明日からは月末3日間の展示会スタートです。今年もあと一ヶ月とちょっと。でも福岡
は実に寒くない日が続いています。信じられないことに、一昨日は庭で蚊に刺されました。
お天気もこの週末は崩れるようですが、庭には蚊もいるかもしれませんが、ちょうど見頃の
紅葉とともに、皆様のお越しをお待ちしております。
]]>前回の日記でも書いていましたが、現在は大きな食器棚の制作追い込み中。
部材数百本に囲まれて作業する日々でしたが、、、
ようやく面になり、そして箱になり、これから扉が付いていきます。納品の様子は
また後日お知らせできればと思っています。
10月といえば、昔から兼業農家であった私の実家は稲刈りシーズンです。
落ち穂拾い歴約30年の私も、今年はコンバインに乗らせてもらいました^^
黄金色の稲に囲まれて作業するのは、やっぱり性に合っています。木の匂いに
包まれて木工作業するのに近いものもあるかもしれません。
大掛かりな家具の制作に入っていますが、展示場の商品や、小物の制作等は
同時に進めていかなくてはなりません。毎朝の少しの時間と、日曜日を使って
他の制作も進めます。写真は、種類の違う木を使って角皿を制作する工程。
31日からの展示会にギリギリ間に合いそうです。
そしてこちらはリニューアルオープンするパン屋さんからのご依頼で制作した
フランスパン定規。市販のものでは長さが足りないとのことで、特注の60cm。
生地を切ったり、長さを測ったりするのに使われるそうです。今まで使われて
いたもの(写真上)になるべく近づけて、慣れた使い勝手で作業できるようにと
思いながら制作しました。
それからこちらは大川へ材木を買いに出かけたときに材木屋さんで見せてもらった
とってもワイルドなテーブル。長さ約6m、厚み20cm、重さ600kg。こんなウォールナット
の原木に近い状態は、そうそうお目にかかれるものではありません。
木も花も、生えている状態が一番美しいことはよく分かっています。だけどこうやって
人の手によって材料と化した植物もまた、ハッとするほど美しいものです。生け花が
生えているお花とは全く違う形を人工的に作り出し、人の心に届くような造形をつくる
ことだとすれば、木工もそれに近いなぁと思うことがよくあります。立木も板になった木
も美しいものですが、そこから形が全く違う商品になっても美しいものを作れなければ
単なる材料として使わせてもらっただけ、になってしまいます。
そんな思いでものをつくりたいと思っていますが、こういうすごい材に出会うと、なお
一層その気持ちが強くなります。本当に、本当に大切に使わなくては。
稲の黄金や木々の紅葉、澄んだ青空、秋のこの色鮮やかさが大好きです。
夫がクモの巣に落ち葉を貼付けていて、それがあんまり綺麗だったので写真を
撮りました。四季があるからこその稔りだと分かっていても、この過ごしやすい
秋が長く続くといいのになぁといつも思います。でももうあっという間に寒〜い冬
が来るのでしょうね。。。
この日記の他、最近はfacebookでぶんぶく堂の日常をもう少しこまめにアップ
しています。facebookのアカウントをお持ちの方は、よければそちらものぞきに
来てやって下さい。https://www.facebook.com/bunbukudou
]]>あっという間に一ヶ月経ってしまいました。今日は3日間の展示会初日。
風が涼しくて、本当に心地よい季節です。
この展示期間中だけが、一ヶ月のなかでも機械を動かさない日となります。
そこで今日は、お世話になっている木工機械屋さんにメンテナンスに来ていただき
ました。材木を切断する際に、刃物を45度まで傾けることができるこの機械。数年
前から徐々に動きが悪くなって、最近ではもう諦めて、自分の手元を45度に傾ける
ジグを作ったりしていました。が、ここへ来てプロに見てもらうと、全身全霊の力を振り
しぼって動かしていたハンドルが、なんと指先だけで動くほどスムーズになりました。
もともと中古で買った機械で、なおかつ10年も毎日使っていれば色んなクセが出たり
動きが鈍ったりもしますが、こうして手をかけるとウソみたいに軽やかにまた動いて
くれます。前回の日記では『木にも体にも気配りを』と言いましたが、忘れてはならない
『機械にも気配りを〜』だと思いました。日々のメンテナンスとお掃除を、もっとこまめに
大事に使っていきます。
そんなメンテナンスを間に入れつつ、現在制作に入っているのは、この10年でおそらく
最も巨大な家具。縦2460mm×横2460mmの巨大な食器棚です。6パーツに分けて作り
現地で合わせて設置予定です。またこの日記上でもご紹介していきます。
そしてこちらは少し前に納品したチェリー材のパソコンデスク。壁と家具の間の隙間に
ぴったり収まるものが市販ではなかなか無いということで、オーダーしていただきました。
納品時に伺ってみると、床板がなんとチェリー材。今はテーブルの方が薄い色に感じ
ますが、数年経てば床と同じ色味になっていきます。色の濃くなるスピードが本当に
早く、使い込むと艶も増していく、味のある材だと思います。
そして、展示会にも何点か新作をご用意しております。オープンから何度も足を運んで
来て下さっている常連のお客様にとっても、初めて来られる方にとっても、見栄えのする
展示場であるよう、少しずつですが毎月充実させていけるように頑張ります。
ぐずぐずなお天気でした。ずっと梅雨が続いているかのようなこのお天気、湿気、
木工をするには本当に大敵です。木は材木になった後も呼吸している為、湿気が
多いとそれを吸収してしまいます。そして膨張したり、反ったり。。なので今が一番
木が膨らんでいると想定してものづくりをしなくてはいけません。冬に向かって縮む
ことを知っていなければ、家具のあちらこちらに隙間ができてしまう可能性があります。
これは、知らなければやっかいなことなのですが、木のことを知れば自分の思うように
動いてくれる楽しさにも変わります。もちろんいつも自分の思うようにいくばかりでは
ありませんが、それもまた木の面白さ。要は、木が動いても支障のない作りを目指せば
よいのです。梅雨だけ気をつけていればいいはずの日本の気候が段々亜熱帯化して
いて、年の半分はそういう気配りが必要になってくるのかもしれません。
話は変わって、こちらは8月の頭に納品したテレビ台です。映画館にいるような気に
なるほど大きなテレビが乗るということで、重さに耐えられるだけの強度をしっかり
持たせています。普通のテレビ台の約2倍の高さがあり、その分収納がたくさん付く
構造になりました。木目の綺麗なウォールナットに、お客様も喜んで下さいました。
こちらはお盆前日に納品した玄関で靴を履く為のベンチ。高さ、長さ、奥行きを
実際にお宅に伺ってお客様と一緒に決めていきました。全体像を撮りそびれ
ましたが、脚にはアジャスターが付いているので水掃除にも対応できます。また
椅子の下にも靴を置けるよう、貫を棚のように使える作りにしました。
そしてこちらはウォールナットで制作したソファ。お客様のご要望で黒っぽい木に
同系色のマットを合わせるという、今までにちょっとない感じでしたが、仕上がりは
なんともかっこ良く見えました。お部屋のワインレッドのカーテンともいい相性です^^
そうこうしているうちに、明日から月末3日間の展示会です。今回は部屋を少し模様
替えしました。新作小物も用意して、皆様のお越しをお待ちしております。
と、普段ならここまでの日記なのですが、今回はおまけをもう少し。先月から今月に
かけて、大きな家具をつくる機会が続きました。この悪天候もあってか、なかなか休
みを取れないからか、体のあちこちがだるいな〜、痛いな〜と感じることが多くなって
いたのですが、そんな中!ついについに自分に合っていると思えるストレッチに出会
いました。突然の我慢できない痛みにはお世話になっている整体師さんもいるのです
が、日々のストレッチ、毎日のメンテナンスの積み重ねがいかに大事かということは
よくよく思い知らされているのです。このストレッチに出会ってから、なんと2日目で
3年間ほぼ一度も治ったことのないふくらはぎの痛みと肩甲骨からくる腕の痛みが
無くなりました[E:catface]自分が歳をとったというのもあるとは思いますが、10年前に比べると
経験が増えた分、数倍のスピードでものを作れるようになっています。歳を重ねてい
る上に、労働量が増えて、しかも無理が利くようにもなっているという厄介な状態。笑
でも、日々のストレッチでそれが治るのならまだまだ安心してこの仕事を続けていけ
そうです。フルマラソンをする知り合いの方に教えてもらったことがきっかけですが
とってもよいので私だけでとどめておくのはもったいない。もちろん、これが合う人
合わない人はいるとは思うのですが、この日記を読んで下さっている方の中で肩凝り
に悩まされている方、マラソンや運動をされる方、ものづくりをされている方もいらっ
しゃるかもしれません。日々のメンテナンスが必要で、興味のある方にはおすすめ
です。自分が長年やっていた剣道についても少し触れているのですが、目から鱗な
話ばかりでこれを実践したらもっと強くなれたかな〜なんていう思いにもなりました。
]]>
相変わらずの湿気です。木工には本当に大敵なこの湿度。髪の毛も言うことを聞かず
「頭がかぼちゃみたいになってるよー。」と夫に突っ込まれる日々です。
さて前回の日記以降、約一ヶ月の間に様々なものを制作していました。納品が済んだ
ものから順にご紹介します。
こちらは北九州にある西南女学院大学からの依頼で制作した、コレクションボード。
ブビンガというアフリカの木を使って作りました。赤みの強い木で、重さが半端じゃあり
ませんでした。普段なら数本まとめて抱えられる部材も、一本ずつしか持てないほど。
ご家庭の家具をつくるのとは少し勝手が違う部分もありました。例えばこれはLEDを
天井にすっぽりはめ込んだ様子。夫の旋盤の技術で円をくり抜いてもらいました。
これに電気工事が加わって、数日中に照明が入るようです。
それからこれはプッシュ式で開けるガラス扉用の丁番。二つ使えば、重さ15kgにまで
耐えてくれるものです。対荷重を満たし、見た目にスマートなものを選ぶのはなかなか
時間がかかりました。
中にカップや賞状等が収まった状態。木の存在感や重厚感がありつつも、中に入れた物
はしっかり引き立つ感じがしました。これが無垢材の魅力なのだろうといつも思います。
次はぐっと小さく、これは料理人の方が生のお魚を入れておくためのヒノキの箱です。
匂いがあってはいけないものなので、塗装はしていません。毎日洗って使われる事を
想定し、湿気や乾燥で木の狂いが起きて壊れないよう、しっかりと組んで作っています。
どんなふうに年季が入っていくのかは見届けられませんが、長く使っていただけると
嬉しいな〜と、想像しています。
そして最後はゴルフ場からのご依頼で制作した、ゴルフボールやゴルフバッグ、クラブ
をディスプレイするためのアクリルケースです。台座の部分はどれもウォールナットを
使っています。
プロのサインボール150個を並べられるようにとのご要望で、大きさや高さ、形などを
ご提案させてもらいました。大きい商品で、しかもアクリルに傷が入らないよう、搬入
にはとても気を使いましたが、お客様に大変喜んでいただけて、それまでの疲れも
吹っ飛びました。『木工百科』という言葉を屋号の中に入れたのは、まさにこのような
ことを色々やりたいという思いからでした。10年経って、本当に木工百科な日々を送れ
ていることに時々はっとします。嬉しいことです。
これらの納品と平行して、次の制作に入っています。納品を待っていただいている方
になるべく早く、いいものをお届けでいるよう努めます。また、月末にはいつも通り三日
間の展示会も行いました。打ち合わせで来て下さった方、新作ができているかな〜と
楽しみに見に来て下さった方、本当にいつもありがとうございます。大きなものも、小さ
なものも、同じように手間をかけ、心を込めてつくっていきます。
]]>5月末の10周年の展示会後、瞬く間に6月の月末展示会。今まで通り、いただいていた
ご注文の商品を制作しつつ、展示会で依頼された小物もつくっています。
こちらは去年からお話を進めていた、囲炉裏テーブル。消費税増税等で住宅の
建設はどこも遅れ気味で、こちらも予定を3ヶ月ほど延ばしての納品となりました。
畳の収納椅子と両サイドはボックス収納になっています。アサメラというアフリカ材
で制作しました。これは『洋桑』とも呼ばれている材で、黒とも赤茶とも違う、独特の
綺麗な茶色です。こちらのお宅にはとっても合う色味だと思いました。
もともとお持ちの炉をお預かりして、ぴったり収まるように制作しました。風車のように
木を組む技法で、天板は全て同じ丸太から木取りしています。火を使う特殊な家具
ですので、そうすることで縮み方が均一になることを出来るだけ考えた結果です。また
アサメラという材は、作っていても驚くほど狂いの少ない材料でした。そうと聞いては
いましたが、実際に扱ってみて納得です。
6月後半には一家総出で田植えもしました。
5歳の姪っ子も手伝いが上手になっていました。これは、苗が入っていた箱を洗う
作業なのですが、この箱洗い機が我が家に導入されたのは昨年のこと。それまでは
幾種類ものたわしを駆使して洗っていました。この道具を使うようになって、一枚洗う
のにかかる時間は10分の1以下に短縮されました。大人3〜4人で夕方までかかって
いた作業が、5歳児と私のかわりばんこで午前中で終わるほど。これほどのハイテク
時代、農業用機械だってものすごい進化を遂げているとうのに、この分野だけは考え
られない遅さでの開発。。やっと徒歩が馬車になったくらいの感じかな〜。笑
でもそこにずっと携わっている身としては、こんな画期的なものはないと感動の嵐
でした。この気持ちを大事に、手植えが機械になったように、手洗いが当たり前だった
ことを忘れずにいたいものです。
そうして先月末の展示会では新作のカッティングボードを中心に、様々な商品を
販売しました。板の幅や節などで、取れるかたちに制限があるため、思いきって
全て違う大きさで制作しています。お気に入りの形を見つけて買っていって下さる
お客様を見ていると、定番にこだわらないこういう良さは続けていきたいな〜と思い
ます。
]]>