日常の中の幸せ

お盆明けに大きなディスプレイの納品、月末の展示会と続き、先週はお待たせしている

方々への図面を描きに描いた数日間でした。身体を使う日々の仕事よりぐったりする

自分は、つくづく机上だけの仕事に向いていないことを実感します。ものづくりと一体だ

からこそできているのだなと思います。

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前回の日記に書ききれなかったことを載せたいと思います。こちらは、先々月、7月に

オープンした美容室をペイントする様子。ニューヨークに行っていた従兄弟が8年振りに

帰国し、この度福岡(薬院)で美容室をオープンしました。生まれや育ちは東京ですが

ここ福岡は祖父母がいてよく遊びに来ていた場所です。数々の経験をしてきた彼が、新

たな出発点としてここ福岡を選んでくれたというのがなんだか誇らしく、嬉しく、私も応援

しよう!ということで、、、まずは壁塗りのお手伝い。

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西区にあるインテリアのプロ、KifuLさんにペイントサポートをお願いしました。黄色い

ドア、私も気合い入れて塗りましたよ^^ 元々を思い出せないほど雰囲気がガラッと

変わってとてもいい感じになりました。色って本当に大事。

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入口のカウンターは、既製の金属のフレームにクリの木を合わせました。

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鏡と台もカウンターと同じ素材で制作しました。こんなふうに作ったら依頼主の好みに

寄り添えるかな、と考える行程はとても楽しい時間だと感じます。私の幅も広がります。

そしてオープンして数日後に行ってまいりました、美容室 KIKORA

私がfacebookに載せていたことで、ぶんぶく堂のお客様も何人かが早速行ってくださっ

たよう。本当にありがたいことです。東京で約8年、ニューヨークでも8年の経験を

積んでいることは知っていても、一度も実際に仕事をしている姿は見たことはありません

でした。本当は家具を納品したお店の様子をここに載せるだけのつもりだったのですが。。。

私が感じたことを少し言葉にしてみたくなりました。

くせ毛で梅雨の間はとにかく短くすることしかできなかった私の頭。従兄弟は椅子に座

った私の髪の流れを見ると、シャンプーする前にまず切ろうと言いました。その人の髪質

にもよるのだと思いますが、髪の毛のクセや流れも含めて、ヘアスタイルを作る感じです。

霧吹きで濡らすこともなく、完全に乾いた状態でカットしてもらいましたが、その後シャン

プーすると濡らしても切り揃っているから驚きです。

美容室でしてもらうように毎日自分でクセを伸ばすことはできないので、今まではカット

してもらったその日だけで、その時と同じヘアスタイルはできないというのが長年の悩み

でもありました。でも、梅雨の湿気で毎年恐ろしいことになっていた頭が、ワックスを付け

なくても自然な流れに沿ってふんわりパーマのように勝手に整うという。

久しぶりに会った友人や、お客様からも何人も「パーマかけた?」とか「イメチェンしましたね。」

という今まで生まれてこの方、言われたことのないお言葉をいくつももらいました。

パーマかけた風にワックスつけても、絶対に言われたことのない言葉を、何も付けずに。笑

こんなことあるんだ!と感心したのと同時に、自分の仕事にも通じる物を感じました。

ぶんぶく堂のコンセプトは、日常に小さな感動やわくわくした気持ちを木を通じてお届け

するということ。こんなものだ、当たり前だ思っていたものにときめく何かがプラスされると

日常は大きく変わります。くせ毛だからこんなものだと諦めていた髪質をむしろ好きになれる

髪型を作ってもらったということは、まさに日常の中の小さくて大きな感動です。鏡の前に座って

何が悩みなのか、何が似合うのかを色々聞いて考えてくれる姿は、家具を制作するときの打ち

合わせのそのものようにも感じました。ものを通じてそういうことを目指している自分が、まさか

髪のカットでそんな気持ちになる日が来るなんて。くせに悩む人だけではなく、その人だからこう

しようという感覚や、髪を扱う丁寧な指先は、今まで自分が経験したことのないものだと思いまし

た。身内のことなので宣伝のように聞こえるかもしれませんね。みんなが私と同じ気持ちになるとも

思いません。ただ、この日記に興味を持って読んで下さる方ならば、こんなこともあるのだなぁとい

う私が面白く感じた世界にも興味を持っていただけるかも、と思いちょっとご紹介しました。

そうして始まりました、9月。今年の残り4ヶ月は月末の展示会以外にもイベントに出店予定が

たくさんです!新商品の開発に、年末までに納品予定のご注文品の制作。さぁ、気合い入れて

頑張るぞ〜。