お知らせ

気がつけば前回の日記の更新から1年以上経ってしまいました。。InstagramやFacebookに納品事例をあげて忘備録のようにはしていますが、自分で書いた日記を読み返すと忘れていることも多く、こうやって文章を残すことも大事だなぁと実感します。

 

実は突然なのですが、今日のお知らせというのは10月上旬に私が出産予定で、この9月から産休に入ります。というお知らせです。展示会のお問い合わせを下さった方や、ホームページを見て家具のお問い合わせを下さった方々には事情を説明しておりましたが、そのお返事もままならなくなってくるため、今日のお知らせとなりました。せっかくご連絡いただいた皆様、本当に申し訳ございません。夫が担当している旋盤技術の仕事は引き続き行ってまいりますが、私が担当してきた特注家具の仕事、また不定期ですが展示会の開催は来年春頃までを目処にお休みさせていただきます。

 

開業して18年、結婚して14年、夫をこの仕事に巻き込んで12年。お正月以外、家にいれば日曜日も仕事してしまう日々を長らく続けてきましたが、一旦ここで立ち止まって、生活スタイルと仕事のスタイルをもう一度見直しつつ確立していけたらいいなぁと思っています。子育てという未知の世界、木工の道を見つけた時くらい、夫と一緒に生きていくと決めた時くらいワクワクしています。

 

以下の写真は妊娠が分かってから制作した家具たち。重いものは夫に持ってもらいながら、お客様には事情を話して納期を延ばしてもらったり搬入を手伝っていただいたりしました。ご理解とご協力いただき本当にありがとうございました。お腹の子にはもちろん細心の注意を払い無理はせず、でしたが想像以上の安定感でここまで来ることができました。つわりもなかったなんて奇跡。お子よありがとう。仕事を休むと足が浮腫むという変な体質であることもわかり「ダルビッシュの奥さんも、ラミレスの奥さんも、妊娠期間中に筋トレしてるって!」とある程度動いていないと私も落ち着かないという趣旨の話を夫によくしていましたが「全国規模で見ても妊娠中に家具を作っている女の人、他におるかね。」と最もなことを言われ続けていました。でもこれで心置きなく休みに入れます。

 

 

 

今年の春。新築のお宅に。こちらのご主人が家を建てる際にはこの座右の銘を額に入れて飾ると決めていらっしゃったそう。

 

 

お雛様と屏風を収納するための箱。なるべく薄く、軽く、でも強度はしっかりと。

 

 

ねじ込み式で脚を着脱できるパソコンデスク。ウォールナット材にウレタン塗装仕上げ。

 

 

手前に少し写っているローテーブルは昨年制作したもの。同じ素材(オーク)でテレビ台を制作。つまみがついていない引き出しや扉はプッシュオープン式。

 

 

テレビ台と同じお客様からのご依頼で、ソファの生地の張り替え。爽やかなブルーグレーになりました。

 

 

逆光な上に真っ黒塗りつぶし塗装なので見にくいですが、お仏壇の前に置くサイドテーブルと小椅子。同じ高さ、同じサイズですが脚の形を少し変えました。

 

 

額縁と暖簾掛け。絵のサイズに合わせて、暖簾の幅に合わせて制作しました。

 

 

三人がけソファ。オーク材に少し茶色をのせたウレタン塗装仕上げです。緑色の生地が和室にぴったり合って見えました。

 

 

新築のお宅に納品したチェリーのダイニングテーブル。合わせてご希望されていたダイニングチェアは産休までに間に合わなかったため、仕事再開の来年に持ち越します。ご理解いただきありがとうございます。お腹が大きくなって、制作が困難なのはテーブルよりもソファよりも実は椅子だったりしました。

 

 

昨年末からお話を頂いて、少しずつ打ち合わせで進めているうちに私の妊娠がわかり、さらに遅れて8月に納品いたしました🙏こちらにも4月に生まれたばかりのお子様がいらっしゃって、ご家族四人でゆったりくつろいでいただけるソファになっていればいいなぁと思います。季節を問わない鮮やかなブルーの生地に、木枠はタモ材のウレタン仕上げ。

 

 

こちらの方も昨年末からお話を頂いていたメープルのデスク。素材、引き出しの大きさ、深さ、つまみの形状など、全てお客様のご希望に沿って制作しました。大変お待たせしたのにも関わらず、本当に喜んでくださったのが伝わってきて嬉しくなりました^^

 

 

ウォールナットのウレタン塗装仕上げ。紫の生地が落ち着いた雰囲気でお部屋にもすごく馴染んで見えました。人が集まった時にはこのソファでお食事もできるよう高さを考えました。自分で塗装するオイル仕上げももちろん無垢材を活かした塗装方法ですが、ご希望があれば水滴残りや輪染みに強いウレタン塗装を施すことができます。信頼できる塗装屋さんのおかげで、無垢材がより綺麗に仕上がって商品化できていることを実感します。

 

 

前回の最後の投稿でも納品していました、香港のレストランからのご依頼品。Instagramから写真をお借りしました。1枚目の写真は業務用のラップを入れるための木の箱。付属のカッターでスムーズに切れるか、ラップがしっかり回転するか、実際に送り届けて使ってもらうまでドキドキしました。2台目となる包丁ラックも合わせて問題なく無事納品✨

 

 

こちらはその香港のお店に以前納品した巨大鰹節削り器で、インスタをご覧になられた香港在住の別の料理人の方から同じものをご依頼いただきました。最初にこの形を考案されたシェフに許可を取って制作。海外と何の接点もないぶんぶく堂がこんな風に知られて広がっていくのは、本当にSNSの凄さだと実感します。

 

 

ベンチの背もたれをカットしてテーブルとしても使えるものにしたいというご依頼。座面の角度をなくし、カットした背板を一枚座面に付け足しました。飼い猫が引っ掻いたという思い出の傷はそのままに、少しワックスをかけて仕上げ。

 

 

そしてこれが産休前最後の納品。以前大丸の催事で商品を見て頂いていたお客様で、納品まで実際にお会いせずお手紙やお電話での打ち合わせで進めていきました。ご自宅にお邪魔したり展示場で商品を見ながらというわけではない中、その信頼を裏切らぬようできる限りの誠心誠意で。実際にお会いせず、という意味ではネットやカタログで購入する家具に近いかもしれませんが、作者が納品するというところだけが絶対的な違いですね。自信を持ってお届けできる商品になったと思っています。ウォールナットのウレタン塗装仕上げ。

 

という具合の妊娠期間中の納品事例忘備録でした。

 

とにかくここまでの間、時間はいつもの数倍かかりましたがどうにか仕事を進めてこられました。お客様のご理解あってのこと、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。しばしの間お休みをいただきますが、木工から離れて気づくこと、これからのビジョンも何か浮かんでくるかもしれません。できればグレードアップして再開できるよう、努めて参ります。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。